PRODUCE 101 JAPANの勢いがすごいが、目指す男性像のトレンドが大きく変わっている。
ジャニーズは全体的に中性的でかわいい男性が多く、LDHは男性的でちょっと怖めのいかつい男性が多い。一方で、PRODUCE 101 JAPANに出場している練習生は、韓流の男性タレントのようなイメージを全体的に目指している。
陶器のように色白で肌がキレイで、ファンデーションやアイシャドーなどでメイクアップは当たり前。髪は金やシルバー、アッシュなどカラフルに染め、ミドルやボブの髪の長さ。細身で身長は皆高く、軍隊のように統制されたダンスで表現する。
日本の男性が韓流を目指しているというのが、時代が変わってきた感がある。
特に、若いころから標準でメイクを行う、メイクネイティブ世代というのも特徴的。自分も過去男性コスメを担当してきたが、市場の伸びが非常に遅く、なかなか普及には時間がかかっていた。
男くさいよりも面倒くさい、なんていわれるように、面倒くさいが先に来る男性の生活に、メイクアップを習慣化させるのは非常に難易度が高い。それが、デジタルネイティブならぬ、メイクネイティブな兆しが来つつある。
広告の視点でもPRODUCE 101 JAPANの取り組みはイマドキ感がある。AKBで成功していた「視聴者がプロデューサー」という仕組みは取り入れつつ、初音ミクのような「素材フリー」という仕組みを取り入れ、練習生の写真を自由に利用できるようにしたことが今回の大きなトレンドに繋がっている。
ファンや企業が推しメンのために団結し、その素材をもとに広告出稿を行う。推しメンがWEBやOOHなどいたるところで露出し、練習生だけでなくファン同士の戦いにもっていくといううねりの創造につなげている。
海外のミュージックアーティストは、大体がライブでのスマホ録画を許容しており、ファンがYouTubeなどにアップすることで、ファンがファンを呼ぶ仕組みを作っているが、その流れを日本にも取り入れ、自走させている。こういう仕組みを取り入れて大きなトレンドを作っているプロデュースの仕方もとてもうまい。