世代・トレンド評論家の牛窪恵さんの予測する18年の消費スタイルについて、自身の見解とともにまとめておく。
節約疲れからのメリハリ消費
ここ何年もの不況によって、生活者のお財布事情は節約がデフォルトだった。
日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を記録するなど、最近景気回復傾向はあるが、バブル期のように一気に財布のひもが緩むのではなく、本当に価値のあるものにお金をかけるようになってきている、とのこと。
節約によって、これまでは必要なものしか買わない、もしくは買えない状況だった。
これは購入時の見る目を養うことにもつながったが、買うか買わないかの視点は引き続き厳しいが、買うと決めたものには、これまで以上にお金をかける傾向があるということだろう。
良いと判断される基準を押さえたコミュニケーションにしないと、売れるものと売れないものの二極化がより激しくなるということか。
物欲、所有欲ではなく、コミュニケーション欲で消費
家族や友人との関係性をより強固にするイベントごと、記念日は、より一層重視される傾向がある。
誕生日や記念日などのプレゼントには、お金を惜しまない傾向が強くなっている、とのこと。
ここ数年の女性における「時間がない」「お金がない」問題は、繋がっている友人知人との関係性維持コストが大きくなっているからだろう。
言うなれば、コミュニティメンテナンス。
震災後、SNSなどで人と繋がる価値が改めて重視され、更にInstagramなどお祝いすること、されることの可視化された環境が確立された。
ECなどの簡単にモノを入手できる環境変化もあるかもしれない。
人に言いたくなる、見せたくなる、喜ばせたくなるといった、コミュニケーション欲を満たすような買い物が18年も続きそうだ。
働き方改革におけるテレワーク消費
25年の介護問題も踏まえ、政府による推奨が確実に続くため、会社に行かなくても仕事ができる環境が拡大する。
電源や無線LAN完備のカフェ、レンタルオフィスは本格的に増加する、とのこと。
CAFE SALVADOR BUSINESS SALONは個人的にもよく利用する。
Wifiも電源も完備されているし、席料が必要なため、本当に仕事をしたい人しか入れない環境ができており、人が少なくとても快適だ。
飲み物や菓子も好きに取ってよい環境だったり、複数人で打ち合わせをしたり、個人のデスクワークもそこでこなせる。
家と会社の中間的な”仕事場におけるサードプレイス”はもっと増えてほしいし、身近にあれば積極的に使うだろう。
共働き世帯増加に伴う時コン消費
共働き世帯が年々増えている。
そこで、自分で自分の時間をコントロールする時短ならぬ時コン(時間コントロール)の需要が、食の分野を中心に増えそうだ、とのこと。
ヘルシオ ホットクックを始め、超簡単、超手間いらずな料理器具もヒットしているし、スーパーやコンビニでも手間暇をかけておいた時コン商品は増えている感はある。
ただ単純に時間が短くなるだけでは、またそれは違うのだろう。
時間がないからこそ、ギュッと凝縮した良い時間を過ごしたいし、たまにはリッチなお金の使い方をしたい。
時間のメリハリ化がより進めば、逆に時間がかかってでも美味しく食べられる商品も売れるということかもしれない。
VR系エンタメ消費
暗闇ボクシングやハウステンボスのジェットコースターVR-KINGや、HISの世界初のバーチャル航空施設FIRST AIRLINESなど、大手のレジャー企業が次々VR融合に参入。
17年もVRを用いたサービスや玩具、プロモーションは多かったが、18年も増え続ける、とのこと。
個人的には、VRが利用できるサービスに、香りや風、揺れる、触れられるなど、より複雑な五感体験ができるよう進化してほしい。
VRの技術はすごくて、目の前に人がいるように感じるし、ここまでバーチャルの世界はリアリティをだせるようになったのかと驚いた経験がある。
そうなると、もっとその世界にどっぷりと浸りたくなるし、精度を高めてほしいと欲が出てしまう。
このあたりの技術はもしかしたらアダルト領域が先に進むのでは、となんとなく思うのは自分だけかな。