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ブームにならないで売れ続ける難しさ

最近、ボタニストの売上が8掛けになるなど、一時期のピークから落ちてきている。

 

過去、レヴールが大ヒットした後に急速に萎んでいったことがあるが、同じようにならないといいなと、ふと頭をよぎった。

 

一回転目の売上作りはできるのだが、実は二回転目、三回転目を作るのが難しい

 

とくに、ここ数年その傾向が顕著で、なかなかロングセラーブランドを作ることができないでいる企業が多い。

 

中国で大きく売り上げを伸ばしていたロレアルも今、厳しい状況になっている。

 

中国人にとって、欧米ブランドと言えば憧れだったが、今ではその考えが徐々に薄れてきているようで、中国人の肌に合うのか、自国の肌に合う商品は何かという議論が活発になってしまった。

 

日本でも、中国人の爆買いリストに入っていた雪肌精も、ここ最近はカウンターに人がいなくなっているとも聞く。

 

大ヒットしたポーラのシワを改善するリンクルショットも、今売上が厳しいとのこと。

 

国内の売上が半減しているなど、効果実感が期待できず二本目が買われない。

 

やはり多くの企業が、二回転目で苦しんでいる

 

ブームになると大きく売れるが、効果に満足できなかったり、流行で飛びついた人が一気に離れてしまう。

 

ブームにしないで売れ続けるのが今はとても難しい

 

基本的に、商品が売れると、もっと生産しろ、もっと棚を取れ、金額を上げろと売り上げを積み上げがちだが、その方向で急激に動いてしまうと焼畑的に市場を食い尽くすことに繋がる。

 

ブームにならないように、ブランドの保有率・体験率をコントロールするのが大切なのかもしれない。

 

ルイ・ヴィトンは、国によって商品の金額を変えている。

 

日本ではかなり高額にセットされているが、それは、日本で普及が進んでしまうと、プレミアム商品ではなく大衆商品になってしまうためだ。

 

プレミアムなクラス感を保つために、金額を上げ、市場に普及する量を制限し、爆発的なブームを避けることで、ブランドの寿命を維持している。

 

自動車のジャガーも中国では販売する台数を決めて卸しているとも聞く。

 

二回転、三回転でうまくいっているなと思うのが、資生堂のスノービューティー。

 

毎年出すたびに、デジタル話題量も増えている。

 

これも、冬の限定品で数に限りがあるため、プレミアム感がつき、飽きがこず、毎年多くの女性が予約に飛びつく。

 

アミューズメントパークで言うと、ディズニーランドは、18年3月で売上高が過去最高で好調だ。

 

ディズニーランドはいつ行っても人が多すぎて、乗り物に乗れる数が3-4個くらいではないか。

 

1個乗るのに何時間も並び、気付けば夕方になり、夜のパレードの時間になっている。

 

全部回ることができないから、また次回も行きたいと思うようになる。

 

1発回収モデルで行くか、ブランドの保有率・体験率をコントロールして二回転、三回転と徐々に大きな雪だるまを作るモデルで行くか、きちんと考えないといけない。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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