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シングルからシークエンスへ 変わる動画広告トレンド

ここ2-3年は、True ViewのようなCMと同程度の尺のWEB動画から6秒のBumperにシフトしてきており、ターゲット別だったり曜日別、時間帯別、気温や湿度にあわせた細かい動画クリエーティブの打ち分けがトレンドだった。

 

最近は、そこから一歩踏み込んで、シークエンス型の動画配信が増えてきている。

 

シークエンシング(sequencing)=「連続」「順序」

つまり、Aという動画を見せた後にBを見せる、だったり、Aをスキップした人にCを見せるといった、動画内で細かいシナリオを作って配信する企業が増えてきている。

 

一昔前の、テレビCMで撮った素材を短尺にしたり、カットを入れ替えるような使い方から、デジタルのためだけに設計された動画配信が当たり前になってきたためだろう。

普段CMを見ないような若年層向けに、如何に動画で意識変容、態度変容を起こすかのチャレンジを各社してきている。

 

 

ポッカサッポロ 素材屋すうぷ

22パターンの複数素材のBumperで素材屋すうぷの動画を配信。

その際、デモグラやトピック(特定のカテゴリの動画を見るときに表示される)、時間帯など、細かいターゲティングを実施。

 

そして、Bumper接触者に対して、True Viewでの長尺動画を配信。

技術的には、YouTubeのビデオシークエンスを用いて、Bumper接触者に次の動画を見せるなど、動画内で接触者の興味度や理解度を深めていく。

 

また、True Viewをスキップした人には、出演する「のりちゃん」が怒った動画を配信するなど、離脱者を引き戻す設計もされていてかなり細かい。

複数の短尺動画でアテンションを取り、徐々に長尺に引き上げていくのも通販の手法っぽい

 

 

コカ・コーラ ミニッツメイド

WEB限定ムービーをTrue Viewで配信。

尺の中で徐々に音量を上げていくなど、視聴者のテンションを上げていくクリエーティブ設計。

 

そしてTrue Viewを配信後、働く若年ターゲットを狙って、月曜~金曜の7-9時、17-19時、19-23時のオフタイムにBumperで配信することで、動画のリマインドを促している。

 

素材屋すうぷのアプローチとは逆に、短尺動画を複数回当てることでリマインド効果を高めている。

特に飲料は、店頭での直感で商品を選びがちなので、細かいジャブのような動画を複数回当てた方が思い出しやすいと考えてのことだろう。

 

 

明治 ザ・チョコレート

バレンタインでの購入促進が主な目的。

バレンタインの2か月前から、マストヘッドやTrue Viewで女性全体に広く動画を配信。

 

また、カスタムアフィニティを用いてチョコレートこだわり層にターゲティング配信をしたり、ECサイト閲覧者やカートに入れたギフトチョコ購入検討層にも配信。

動画接触者に対して、リターゲティングでブランドの出自訴求動画を配信するなど、ブランドに対する理解をより深めていく。

 

そしてバレンタインの2週間前に再度Bumperでリマインド。

8種類のョコレートの意味をそれぞれBumperで訴求し、バレンタインでの購入に繋げている。

 

チョコレートも今はデジタルで細かく狙い撃ちしたり、ブランド理解を深める工夫をしている時代だ。

 

今後もこういった動画内でのシークエンス性を高めていく企業が増えそうなのと、さらに動画だけでなくCMや店頭、サンプルなど全体コミュニケーションで細かなシークエンス性を極めていくようなプランニングが広告会社には求められていくと思われる。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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