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差別化し辛い携帯キャリアの戦う土俵

普段のストプラ業務では、明確なUSPを保有する商品を担当することが多いため、どこを前面に立たせてコミュニケーションを設計するか想像がつくのだが、他社との差別化が難しい、または差が殆どない業種は独特の戦い方をしており興味深い

 

特に携帯キャリアについては、電波の繋がりやすさだったり、料金体系の違いはあれど、生活者にとって殆ど差は感じにくい業種だ。

携帯キャリアも各種差別化するための取り組みをされているだろうし、生活者には見えないところでビジネスを拡大していると思うが、生活者視点では5つのコミュニケーションを行っている。

 

好感・共感性の連続エンタメコンテンツ

携帯キャリアのテレビCMはどこも、各キャリアのブランディングを兼ねつつ、新サービスの紹介にコミカルに落としている。

なんか好き、いつみても面白い、サイドストーリーやサブコンテンツ(音楽リリース等)が豊富で飽きない、と好感・共感を抱かせることで、携帯キャリアの機能での戦いはしていない。

auであれば三太郎。

SoftBankであれば、白戸家。

最近は、これまでの白戸家メンバーに加えて、古田新太さん、竹内涼真さん、杉咲花さんに、新顔のわんちゃんと新メンバーが加入。

少しずつ新メンバーの露出に切り替えて、鮮度維持を続けている。

docomoは、得ダネ記者や綾野家を旬の人気タレントを起用しながら展開。

これまでdocomoは、auやSoftBankに比べてインパクトが弱い印象があったのだが、最近は蓄積効果なのか勢いを感じる。

 

いち早く新プランの告知

携帯キャリアはどこかが有力なプランを出すと、他社も類似したプランを出したり、それ以上にお得なプランが格安スマホ側から出たりする。

そのため、他社よりも先にプランを開発し告知することが重要。

他社が真似する前に一気に顧客を獲得し、追いつかれたら新しいプランを開発ということを繰り返している。

auだと、ピタットプランで格安スマホに流れる顧客を食い止めている。

SoftBankでは、50Gの大容量パケットのプランを提供し、動画も音楽も好きなだけ遊べることで、お得感を出している。

 

パケットを豊富に使わせるデジタルコンテンツ

どんどん携帯を使わせるために、デジタル限定コンテンツを豊富に用意。

動画や音楽、EC等のコンテンツを充実させることでパケットの消費を促したり、面白そうなことをやっている企業イメージ作りに貢献している。

SoftBank 私立スマホ中学では、自分の道を夢中に駆け抜けてきた先生を集め動画で面白コンテンツを提供。

第四の携帯電話事業者として参入することが決まった楽天は、動画や音楽だけでなく、もともとの強みであるECでのコンテンツをスマホ用にもっと強化していくだろう。

 

先進的技術でのWow体験

携帯キャリアとして、通信テクノロジーの凄さ、安定さをイベントやプロモーションを通じて展開。

よくわからないけど、とっても先進的で凄い企業のようだ、と思わせることが目的。

docomoのFUTURE-EXPERIMENTでは、ロンドン、東京、ニューヨークのそれぞれ異なるエリアにいるPerfumeがパフォーマンスを披露。

1万キロの離れた距離であっても遅延なくスムーズに映像体験ができるという技術力の高さを示している。

結構前にやった事例だが、auのFULL CONTROL TOKYOも同じような先進的なイメージ醸成のために施策だ。

 

データ活用ビジネス

ビッグデータやAIなど、新しい取り組みをPRとして告知することで、高い技術力イメージに貢献。

企業との協業やコラボで、技術力やサービス力としての幅を持とうとしている。

docomoは、AIエージェントサービスを提供し、20社以上のパートナーと協業することで、天気情報を元にサービスを提供したり、顧客情報を元にECで商品を注文してくれるなど、便利なコンシェルジュ機能をもたらす。

au(KDDI)とアクセンチュアがデータアナリティクス領域での合弁会社設立という取り組みを発表。

携帯キャリアの保有する膨大なデータをもとに、AIを利用したり、異なる業種でデータ活用するなど、新しいビジネス展開を視野に入れた活動をPRで告知。

「好感・共感性の連続エンタメコンテンツ」「いち早く新プランの告知」「パケットを豊富に使わせるデジタルコンテンツ」「先進的技術でのWow体験」「データ活用ビジネス」の5つをあげた。

もはや通信速度の差やハードの差についてはコミュニケーションされておらず、継続的な共感型ブランディングを行いつつ、ソフト面とコンテンツ面のクイックな開発、Wow体験や他社にないデータ活用への取り組みで、鮮度を維持しているようだ。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

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