ターゲット設定でよく「20代」を一括りにしがちだが、20代も前半と後半で違う人種だ。
ちょっと違う話から入るが、会社の新入社員を見ていると、ギラギラ・オラオラしている世代や少しおとなしい世代が増えたり減ったりして、繰り返しながら入社している。
○○年入社組は、△△君や△△さんなど、野心の塊のような人が多い世代で勢いがある。
その5年後の○○年入社組も同じように、ギラギラした人材が多く、若いうちから結果を出している子が多い。
という会話をしたことがある。
まぁ、人事的に体育会系を多く採用した後、反省して理系人材を中心に知的系の採用に大きく変更するということもあるのだが、大きい視点で見ると、性格や思考が一定の群となって、何か傾向がありそうだ。
それが「勢いのある世代」「おとなしい世代」みたいな括りで捉えられていると思われる。
今の20代を分けるとすると、18-24歳と25-34歳で群ができている。
18-24歳の20代前半組は、ギラギラしており、25-34歳の20代後半組はまったりしている。
もちろん、まったりしている世代でもギラついた人もいるし、ギラついた世代でもマイペースな人もいるのだが、あくまで大きな傾向として。
20代後半組は、不況が当たり前の時代に生まれ、ファストファッションやプチプラもでてきた世代。
安くて良い物を揃えることが当たり前。
非常に合理的な考え方で生きており、着実に貯金をする。
ユニクロやZARAなどでインナーを揃え、アウターはちょっといいもの、セレクトショップで買ったジャケットなどを着る。
スマホ代と交際費はしっかり払うが、それ以外のところの財布の紐はかなりきつい。
大きく括ると保守的な傾向が強い。
20代後半組を見てきた20代前半組は、その反動でギラギラしている。
羽生結弦世代。
芯があり、スマートであり、ガツガツしたものを前面には出さないで、クールにしなやかに野心を元に突き進む。
新勢力。
小中学校から当たり前にスマホやタブレットを使いこなす。
メルカリなどフリマアプリが普段のプラットフォームとして浸透しているため、商品は所有するものから使用するものという考えを持つ。
不況というよりも、不確実な世の中に対して、いつまでもこの状況が続くとは思っていないため、やりたいことを積極的にトライする勢いがある。
20代前半と後半で共通したインサイトもある。
それは「嘘を暴くことが楽しくてしょうがない」ということだ。
企業が広告費をかけてやっていることと、生活者が自発的にやっていることの嗅覚がかなりするどい。
そして、嘘だと見破るのと同時に、それを人に伝えたり、騙されたとして拒絶し、ネットで大きく叩く行為を楽しいと思ってしまう。
この「勢いのある世代」「おとなしい世代」は振り子の関係だ。
一定の勢いのある時代が続いた後、人は疲れ、おとなしいことを善とする時代が来て、頑張らない、力を張らない商品が増え、頑張りすぎないライフスタイルが注目される。
そして、一定のおとなしい時代が続いた後、そこから抜け出るような勢いのある時代が求めらる。
人とは違うこと、人よりも秀でたことを求める層が出てきて、何か新しいことを生み出す力が次々と出てくる。
いまの18歳以下の世代は、おそらくその反動で、おとなしい世代がくるのではないか。