数年前、OneIDというキーワードに多くの企業やブランドが飛びつき、自社サービスや自社アプリ、SNSでのゆるい繋がりを含めた、OneID化に取り組みだした。
CRMという言葉をそのまま使っていない企業もいるが、OneIDで繋がり続けるCRM活動を目指しだした。
そして、現在、うまくいっているところと、うまくいっていないところに、大きく2分されている。
売りと繋がっているCRMはうまくいっており、売りと繋がっていないCRMはうまくいっていない。
例えば、製品やサービスを使うことで、マイルがたまる。
そのマイルが、製品やサービスの割引に適応できたり、そこでしかない体験が得られる、非売品となるインセンティブが得られる、特別な応募券に代わるなど、売りと連携しているものは、うまくいっている傾向がある。
一方で、売りと繋がっていないCRMは苦戦している。
例えば、心や体の健康を管理する、肌や髪の状態等、美容関連を記録する、普段着ている服を記録するといったコンディション把握ができるCRMや、遊び場やWOW体験を提供するCRMも、うまくいっていない。
パッと見、「いいことやっているブランドだ」と感じやすいけど、長く続かない。
生活者の気持ちからすると、「これだけ世の中に製品やサービスがあふれているのに、わざわざ、一企業のサービスで記録したり遊んだりする理由が作れない」ということになる。
コンディションを記録したり把握するサービスは大事だけど、わざわざ一企業のサービスを使う必要あるのか、遊び場やWOW体験を提供するサービスはあると嬉しいけど、他にも探せばあるサービスの中で、わざわざそこでOneID登録するのかと。
「そもそも、生活者は、そのサービスとわざわざ繋がりたいと思うのか」について、意外と議論されない。
「つながった後」のことばかり議論されている。
繋がった顧客のLTVをどのように高めるかに議論がいきがちだが、そもそも繋がる価値を明確に作れないと、手前でこけてしまう。