どの業界もビジネスモデルが大きく変わりつつあるが、ファッションもその影響を大きく受けていそうだ。
海外の動向が日本にも時間を置いてその波が来るが、ニューヨークでは高価格帯のラグジュアリーブランドの苦戦と店舗撤退、高そうなショッピングバックを持って歩く生活者の減少が見られるとのこと。
また、そのようなラグジュアリーブランドを購入するのは、中国とイスラムの観光客が主。
その背景に生活者の成熟化が大きい。
H&M、ユニクロのようなファストファッションが増え、既に生活者がモノを持ちすぎている状況。
どこでもあるようなものに魅力を感じなくなり、買いたいものがこれまでの百貨店や路面店にはないという状況になってしまった。
また、中古品がこれまで以上に魅力的なカテゴリに成長している。
日本でもここ最近の中古品の価値における上昇はみての通りだ。
日本では、メルカリの人気が市場を引っ張り、今ではAmazonでも「お!いい服みっけ」と思ったら
古着だったということも少なくない。
伊勢丹でもブランド古着を扱ったポップアップショップを展開するなど、新しいモノでなくとも、独自の魅力を持った商品は売れている。
また、メチャカリのような、定額のファッションレンタルサービスによって、手元に置いておかなくても、好きな服を利用できるというビジネスモデルの変化も大きいだろう。
これらのファッション市場の変化の中でものを売るためには1つのベースラインと3つのポイントが必要だ。
まず、ベースラインとして、価値が下がらないことは重要なポイントだ。
使って捨てるから、使って売るという生活者の使用サイクルになった今、着た後もちゃんと売れるブランド、商品であることが前提となる。
その上で、大切なポイントの1つに、ソーシャル上で話題になっていることがあげられる。
特に、ファッションにおいても、Instagramなどのソーシャル検索がされる中、多くの人が注目して投稿されている商品は、より魅力的な商品と捉えられる。
いまは、Instagramを中心にソーシャルから人気となり、それを元に他のニュース系サイトや雑誌で取り上げられてトレンドが作られることも少なくない。
みんなが注目しているもの=魅力的なモノ
という法則から、ソーシャルで話題になっているのは、今後のファッションにおいても大事なポイントとなる。
2つ目のポイントに、お墨付きがある。
タレント、著名人、メイクアップアーティスト、ファッションモデルなど、時代を先取りする有名人などが薦めるブランド、商品はとても魅力的にみえる。
入口はモノよりもヒト入口ではあるが、そこから身に着けたり好みのブランドが「あの人が使っている、あのブランド」という拍がつく。
そして3つ目が、なかなか手に入らないレア感だ。
最近ポップアップストアが増え、長蛇の列を作るのも、ここでしか手に入らない、この期間でしか買えない商品のためだ。
他の人と差別化できるものは、古着であろうと価値がさがりにくい。
価値が下がらないことは前提に、みんなが持っている、著名な人が持っている、他の人が持っていないの3方向に振り切っていると、現在のファッションにおいてヒットに近づくが、コスメや鞄、靴など他のカテゴリにもあてはまるかもしれない。