最近、共感とか、自分ごと化という指標をKPIに、施策を回すことが周りで増えている。
調査項目のファネル内に入れ込んだり、SNSでの反応も共感を指標にしたりもする。
やっぱり共感しないものは、頭の中にも歩留らないし、一瞬で忘れてノイズという位置づけになってしまうのが原因か。
「そうそうあるよね~」「なにこれ、わかるわw」と入口では共感してもらい、その商品に興味を持って貰う広告も多い。
デジタルだろうが、アナログだろうが、共感は普遍的な興味喚起のトリガーだ。
『社畜ミュージアム』
中小企業基盤整備機構のWEBムービー。
進捗モンスター
寝てない自慢大会
『SPECIAL STUDENT』
キリン プラズマ乳酸菌のWEBムービー。
半袖短パン小僧
静寂の待ち人
『マイクロズボラ』
グリコ アーモンドピークのWEBムービー。
主婦のあるある。お尻を使って引き出しを閉める。
黒い靴を、黒の油性ペンで塗りつぶして修理。
『職場に恵まれなかったら、オー人事。』
オー人事の屋外広告。
牡蠣のほうがよっぽど大切に育てられているように思う。
上司が仕事にまで味噌をつけたがる。
あるあるネタは常にどの会社かがやっているが、どこまで自虐的に作れるかが結構大事だったりする。
また、商品USPの裏返しというか、その機能を使う人を想像したあるあるネタは大概すべっている。
例えば、消臭スプレーを扱っているとすると、ニオイあるあるみたいなコンテンツを作りがちだが、わりと内輪ネタ感ある仕上がりになって、大して面白くないまま終わる。
機能でカバーできる範囲のネタだと、「あるあるネタ」といいながらジャンプができず、全然自分ごと化できないのが原因なのかもしれないな。
東洋経済の「パナと三菱電機のCMがこんなにも違う理由」という記事も興味深かった。
パナソニックと三菱電機のCMはどちらも家族を描いているが、訴求しているトンマナが全く異なる。
パナソニックは理想の家族を描き、三菱電機は「あるある」と思えるような身近な家族を描いている。
好みはそれぞれわかれるのだが、パナソニックや資生堂のように憧れの像を広告で作るタイプの企業と、三菱電機やLIONのように身近な像を描いて共感を得るタイプにわかれる。
企業カラーがわかれるだけでなく、それに反応する顧客もわかれるので、憧れの像を描く企業には憧れを元に消費行動をする顧客が集まる。
また、身近な像を描く企業には、同じように身近な生活に居心地の良さを感じる顧客が集まる。
調査をすると企業カラーと生活者が非常にシンクロする部分があるので面白かったりする。
色々と情報が多い中では、最初の出会いがとても大事で、共感やきらめきを入口にして商品に引っ張るコミュニケーション構造が大切だ。