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ジャニーズに学ぶ、個とグループの両輪で作られるブランド論

マーケティングに従事する人は、ブランディングの難しさに頭を悩ませたことが多々あるのではないか。

 

そもそもブランドってなんぞや、何をしたらブランドが強くなるのか、みたいなところを何度も行ったり来たりすることも少なくないはず。

 

クライアント側の上層部が変わるとこのブランドの方向性は大きく変わりがちだ。

やっぱり新任の担当者は前任のやり方を否定して変わることが多い。

 

前任のまんま踏襲します、なんて言う新任の権限者を見たことがない。

この変わる論にブランドが巻き込まれると結構厄介だ。

 

複数ブランドを保有する企業の場合、それらを資産と捉え、統合的なブランディングをされることもあるし、いやいや個のチカラが大事でしょと個別のブランド強化に走ることもある。

 

それが上層部が変わることで、統合したり、専門(個)を際立たせたりを繰り返すと現場は大混乱する。

このあたりの統合と専門を行き来するのは広告会社の組織にありがちなのだが、まぁ、それは置いといて。

 

一歩引いて、統合と専門(個)、どちらかじゃないよなと。

 

全然違うカテゴリのジャニーズなんてその辺りが非常にうまくブランディングしているように思う。

 

ジャニーズではグループごとにテーマがあるし、一つとして同じようなグループはない。

きちんとグループとしてのポートフォリオを組んでいて、そのグループに合わせた曲や衣装、セットを通じた表現をしている。

そして、新曲やライブ、レギュラー番組を通じてファンを増やしグループを強化する。

 

それとは並行して、個のチカラも強化すべく、それぞれのメンバーが得意な領域でファンを獲得している。

演技が上手いメンバーはドラマに出たり、知的なイメージの強いメンバーは情報番組のキャスターになったり、会話の上手いメンバーはバラエティ番組の司会をするなど、それぞれの得意領域でファンを増やし、グループ人気へと還元する。

 

具体的に、嵐はとてもうまいブランディングをしている。

慶応大卒業の知的な櫻井くんは、NEWS ZEROでのキャスターや、トーク番組の櫻井・有吉THE夜会での司会、ちょっと抜けてて人間味のある相葉くんは、天才!志村どうぶつ園や挑戦的な相葉マナブに出演、演技の超うまい二宮くんは4月からまたドラマに出演しブラックペアンの主役を演じる。

なんでもこなす二枚目松潤は、ドラマ99.9 刑事専門弁護士Ⅱの主演を演じ、ピュアで無邪気な大野くんはアレグラFXやオリーブオイルエクストラバージンのCMキャラクタに起用されている。

 

グループとしては飲んだりお互い泊まりあったりする超仲良し5人組でも有名だ。

アップテンポでカラオケでもみんなでワイワイ踊って歌って楽しめる嵐っぽい曲が多いのも特徴。

老若男女問わず、そりゃ人気出るわ。

 

ジャニーズにおいてはグループと個の強化は鉄板であり、どのグループでもこの"仕組み"が導入されている。

また、この秀逸な仕組みは、他の事務所のグループも使われており、EXILEや三代目J Soul Brothers、AKB や乃木坂、欅坂でも導入されている。

 

グループと専門(個)は、両輪であるべきなんだよなと。

 

ブランディングって時間もかかるし、蓄積したらしたで既存顧客を無下にできなくなり、大きなジャンプもし辛くなる。

守りと攻めのバランスがとても大切で、大きなブランドほど社内の保守派が多くて社内説得に大きな労力を要する。

ブランディングってほんと難しいテーマの一つだ。

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千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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