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パーパスのコモディティ化

昨年、「多くのパーパスが「自分らしく生きることを支える」とカニバっている」という記事を書いた。

 

どの企業も、私らしくいこう、自分らしく生きるあなたを応援する、というパーパスになっている。

 

パーパスのカニバリ

 

この話、結構話すことが多いので、少し続きを。

 

製品のコモディティ化。

サービスのコモディティ化。

そして、今起きているのが、パーパスのコモディティ化

 

第三次コモディティ化

 

「私らしくいこう」

「自分らしくいこう」

とメッセージしているCMをざっと拾ってきたけど、携帯キャリアに、家電に、ジュエリーに、ヘアケアに、ファッション、人材関連と、業種は多岐にわたる。

 

みんな、メッセージは同じ

 

これは、生活者が多様化して、色々なタイプの生き方も許容される世の中になったことが背景にあり、その人たちに寄り添うために、ひとり一人の生き方を尊重し、受け入れます、それを私たちは全力で応援します、という構図。

 

みんな、WHYを規定し、同じパーパスを発信する。

 

そうなると、パーパスのコモディティ化の次は、別軸での差別化が必要になる。

だって、みんな同じこと言ってるんだから。

 

次のフェーズは、パーパス・アクション

 

そのパーパスを、本当に行動に移しているか。

その活動を、可視化し、生活者から強い共感を得ているか、という、口よりも行動で示しているかが次の戦うフェーズ。

 

安心安全に登山を楽しむアプリのYAMAPのパーパスは、人と山をつなぐ、山の遊びを未来につなぐ

登山をもっと楽しんでもらうために、登山中の位置情報を家族や友人と共有できるみまもり機能の提供、登山を楽しみ合う活動日記、登山保険の提供など行っている。

 

更に、山を守り、登山活動と環境保全を持続可能なものにするために、DOMOという仕組みを導入。

これは、Facebookのいいね!と同じような機能で、生活者同士で、お互いに送り合うこともできるし、YAMAPが推進する環境保全のプロジェクト支援にも使うことが出来る。

 

DOMOは、送る数を決められるので、この活動はいい!と思ったら、感謝や共感の大きさとして多くのDOMOを送れる。

これによって、山に行く→DOMOがたまる→植林・登山道整備を支援→山の再生につながる、という山を守り山を楽しむサステナブルな循環を作る

 

これが、パーパスアクション。

 

パーパスを、口だけでなく、アクションまで昇華している。

 

 

アプリ系のサービスだけでなく、トイレタリー系もやっている。

 

パンテーンのパーパスは、あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする

それに伴うアクションは、#HairWeGoのテーマと共に、髪の固定観念を壊すプロモーションに昇華。

 

高校生の黒髪の強制に疑問を抱き、パンテーンは、この髪どうしてダメですか?と問題提起型のメッセージを発信。

実際に署名活動まで起こり、校則の見直しや議論になるきっかけを作った。

その後も、就活の髪型の自由化を共感する企業と共に活動を拡げるなど、パンテーンらしいアクションに落としている。

 

パーパスは、社会課題と絡めて設計されるから、アクションとしては、よりよい社会のために何をしてきたか、ということを示すことになる。

言うは易く行うは難しで、それって売れるんですか?的な発言が出るのも実際なので、なかなか難しいんだけどね。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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