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Instagram人気に伴う周辺ビジネスの拡大

17年はたくさんのInstagramerと仕事をした。

 

特定の商品について投稿してもらうといったプロモーション起用もそうだが、サイトコンテンツ制作のための撮影や、動画コンテンツへの出演といったコンテンツメイキングでも多くご一緒できた。

また、デプスインタビューなどもさせてもらった。

 

ここ2-3年で、無名~読モ含めて多くのモデルが「Instagramer」と名称を変えて活動をするようになった。

そのため、ビジュアルの良いInstagramerが多く存在するようになり、更にInstagramerリストを通じて多くの広告活動で起用しやすくなった。

 

商品を顔の周りに持った写真を投稿し、#PRというハッシュタグと共に情報発信するのもよいのだが、一歩引いてInstagramerをみてみると、ビジュアルが良く、かつ単価が分かりやすい(1フォロワーあたり数円)リストになっているため、広告用のコンテンツを作りたい時にとても重宝する。

 

新商品発売に伴い、サイトのコンテンツを作らないと!と思ったとき、これまでは、その商品イメージにあったモデルを各事務所からリストをもらい、そしてオーディションを行うことで、やっと撮影対象者が決定される。

半永久的にサイトに掲載するため、しっかりと吟味するのももちろん大事だが、時間も予算もかなりかかってしまう。

 

Instagramerとなると、もともと自身の写真を大量に投稿しており、モデルを選定するための事前検証が圧倒的にしやすい

コメントからもある程度人間性が見て取れるし、予算感がざっと計算しやすいので安心だ。

 

予算がおさえられる分、例えば動画撮影においても、撮れ高確保のために多めにアサインしてあとで良きように編集するということもできる。

そういった形で、広告活動における多くのコンテンツ制作でInstagramerの起用が使い勝手がよく、コストをおさえて良いモノができるようなった。

 

また、コスメ、フード、旅行、ファッションなど、自分ブランディングに繋げやすいカテゴリについては、多くの自発的投稿が既に沢山ある

そのため、自社商品についての愛用者を見つけ、デプスインタビューを行うみたいなこともできるようになった。

この部分はきちんとしたキャスティング会社を噛ますか、依頼する企業名を明らかにしないと返信は少なくなるが、多少の謝礼とカフェ代で愛用者インタビューというマーケティングデータを入手する活動にもつなげられる。

 

これまで調査会社でデプスインタビューをするとなると、対象者条件の決定、リクルーティング、モデレーターの起用、フローの作成、会場のレンタル、録音、撮影、筆記、レポーティングなどのフルパッケージでウン十~ウン百万円の調査コースになっていた。

Instagramerを起用した愛用者インタビューは、多少の謝礼とカフェ代で実現できてしまうので、気持ち構えないでライトに実施できる。

数多く実施しながらフローの修正を重ねて言ったり、モデレーターもかけないくらいのライトな形でのヒアリングの方がむいてたりする。

 

これまでの制作現場のキャスティング費や、調査会社の調査費を価格破壊してきている感はある。

 

また、Instagramer施策が増えたことで、Instagram専門のコンサルティング会社もでてきた。

ハッシュタグの設計もInstagram内SEOとしては非常に重要で、今流行のワードがきちんと入っているか、また今後増えそうなワードを仕込ませているかという視点もプロモーション時に大切となる。

 

例えばコスメで言うと、#コスメ で検索する女性も多いが、#コスメ好きさんと繋がりたい といったハッシュタグも投稿数としては多い。

また、#パケ買い というワードもコスメでは多かったりする。

 

コスメを探そうとしている女性はこのハッシュタグを使っていることも多く、コスメ企業であればこういうワードからも流入を増やしたい。

ちなみに、こういったハッシュタグのコンサルティングをしてくれる企業は、毎日新しいハッシュタグを社員みんなで探して報告するという地道な活動を行い、コツコツとノウハウを貯めている。

InstagramのAPIを使える企業がかなり限定的なのと、そこではトレンドハッシュタグを知る術がないためだ。

 

Instagramの運用代行や、写真撮影代行も最近は人気だ。

やっぱりプロの撮る写真って全然違う。

光の入れ方、小物の使い方(影をうまくいれるとか)など、撮影に同行していると凄いなと思ってしまうし、自社でそれをやろうとすると限界があるなと気付かされる。

 

最近ではto buyというInstagramerが紹介した商品をECへと繋ぐサービスもでてきた。

Instagramer施策は、企業が商品をサンプリングし、その写真をInstagramで投稿してもらうという仕組みだが、この投稿を見た人が商品を買ったかまでは把握することができなかった。

ゆうこすみたいなパワーInstagramerが紹介すれば物は売れるかもしれないが、欲しいと思ったタイミングからお店までの時間と距離が遠い。

欲しいと思った瞬間を逃さないサービスがこのto buyだ。

 

 

このサービス上で好きなInstagramerを選択すると、投稿内容と共に、商品購入のECボタンがついている。

楽天、アマゾン、ヤフーショッピングで買い物ができるようになっている。

 

わりとこういった隙間を狙ったサービスはまだまだチャンスがありそうなのと、本体側(Instagram側)が標準機能としてつけてしまって、一気に周辺サービスが死亡するというのもこれまたよくある話だったりもする。

 

向こう数年はまだInstagram人気は続くと思われるため、新しいマーケティング活用や、その周辺のビジネスモデルの模索も大事だ。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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