ここ最近、モーメントというキーワードをよく聞く。
一つはソーシャルメディアからだ。
Facebookから出た写真共有アプリFacebook Moments。
LINEから出たソーシャル動画アプリLINE MOMENTS。
Twitterから出たTweetまとめ機能Twitter Moments。
また、日本ではブームが来なかったSnapchatも、投稿したらすぐに消えてしまう元祖Moments系サービスだ。
ソーシャルメディアは、最初、繋がる楽しさ、友人を見つける楽しさ、共有し合う楽しさが続けるモチベーションになるが、人間は慣れる生き物。
徐々に承認されることに疲れてくる。
投稿した内容がどう評価されたか。
反応してくれた友人に何てレスポンスすべきか。
誕生日のあの子のタイムラインに何てメッセージを残そうか。
そう考えているうちに、疲れが出てくる。
疲れてくるからだんだん投稿しなくなる。
見るだけになる。
アクセス回数が減る。
そのため、特定の友人や恋人だけしか入れない少人数制のソーシャルメディアを使い出したり、オープン用プライベート用とアカウントを複数使い分けたり、投稿のハードルを下げることに繋がるすぐに消えるMoments系サービスを使うようになった。
また、Googleも、マイクロモーメントというコトバを使い出している。
1日にスマホをチェックする回数は約150回。
人々が何らかの意図を持ち、モバイルデバイスを手にした瞬間をマイクロモーメントと定義している。
実際、生活者の検索行動が変わりつつあるようだ。
生活者の検索は、何かをしたいという強い気持ちから、顕在的な意志になる前の、ふと気になるといった内容に変化している。
個の時代となる今、何処にでも肌身離さず持ち歩くスマホをベースに、欲しい!、気になる!、知りたい!、買いたい!、など、欲望が駆り立てられる瞬間をおさえる、というマーケティング視点が出てきた。
デモグラやクラスターといった人の塊ではなく、それらの人のモーメントを捕まえる。
朝だったり、電車の中だったり、夜中寝る前だったり。
ふと、欲しくなった、気になった瞬間を逃さないように、横軸で捕まえてアプローチさせる。
縦から横への視点の変化。
2017年は、こうしたMomentsを如何に捕まえるか、というテーマで各社取り組みだすのではないか。