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イノベーションを起こしたいなら、しくみから変える

どの商品を買ってもだいたい良い商品という時代の中で、今までにない商品をつくるためにイノベーションを起こすべく、大手とスタートアップのマッチングや、大手企業内の新規事業開発の部署など次々とできている。

 

イノベーションを起こすことは大事だけど、その案を通すための承認フローだったり、現場にゆだねるような仕組みを一緒に作らないとうまくいかないよねと。

 

オリジナル映画が多くの映画祭で賞を受賞するなど、最近Netflixの快進撃が止まらないが、彼らは「カネは出すが、クチは出さない」というスタンスをしっかりととっていることがうまくいっている要因。

 

カネは出すがクリエーターを信じ、作品が完成するまでクチを出さずにゆだねるのはNetflixくらいの資金のある企業でないとなかなかできないが、日本でも仕組みを変えることでうまくイノベーションを起こすチャレンジをしている企業もある。

 

SONYのfirst flightは、SONYグループの社員が新製品を発表するクラウドファンディングサイトだ。

 

若手の面白いアイデアを先に生活者に提示することで、目がありそうかを判断できる。

 

結構前から取り組んでいるが、SONYらしい面白いアイデアが増えてきて、スマホで温度管理ができるREON POKETは歴代最高の7000万円近くも支援金を集めている。

 

この事実をもって社内上層部に更に予算をつけてもらったり、全国の店頭で販売してもらうなど説得の後押しにもなる。

 

ちなみに、この衣服の温度調整は、ファン付きウェアを販売しているワークマンだけでなく、シャープとデサントがグローブ型の冷却グッズを出したり、ジミーチュウもスマホで温度調整できるブーツを発売するなど、衣類×温度調整は今年のトレンドになりうる。

 

また、ローソンは竹増社長に変わってから、バスチーに、ザクシュー、サクバタなど、プレミアムロールケーキからしばらく出ていなかったヒットスイーツを次々出すように。

 

積極的にスイーツ以外の部門から開発者を集めたのもあるが、承認フローを簡素化したのが一番大きい。

 

これまで開発者が作った商品は、部長、部長補佐、本部長、・・、社長と5、6人のBOSSの承認がなければ販売までたどり着けなかったが、今は開発者から社長へと直接提案できるフローに変え、意思決定を速めることと、尖った商品アイデアがつぶされないようにした。

 

「人は意見を言いたい生き物」なので、「それは違う、こうしたらいい」などと尖ったアイデアは早々に叩かれ世に出るときには丸まった普通の商品になってしまうが、承認フローから見直すのは、当たり前だけど大事。

 

あとは、最近変革のスピードは目覚ましいTOYOTAは、トップが先陣を切って既存ビジネスを壊しながら進むところが大きい。

 

TOYOTAとNTTの資本提携や、モビリティサービス・プラットフォームの構築など、トップが先陣を切ってオープンイノベーションを加速させている。

 

TOYOTAの車のサブスクサービスのKINTOでは、CMで「まだクルマ買ってるんですか?」といったメッセージを発信している。

 

普通だったら、既存の販売店からクレームが来そうなメッセージだが、自社の変革のために許容するなど、トップが腹をくくればそれが原動力になって、現場含めた全体がイノベーションを起こす行動をとるようになる。

 

イノベーションを起こせ!とクチだけで、それを通すためのしくみまで変えてない企業は、なかなか苦しむだろうな。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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