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BOTANISTがTSUBAKIのシェアを抜く

ドラッグストア、量販店、スーパーなど
シャンプー売り場にいくとボタニストがほぼ必ず置いている。

テレビCMを一切やっていないボタニストが徐々にシェアを伸ばし
気付けばテレビCMをやって大きく認知を取っているTSUBAKIのシェアを超えた。

トイレタリー業界ではかなりザワつく事件。

何故ここまでボタニストが売れたのか。

 

ボタニカルブームに乗った
 気軽、シンプル、自然などのナチュラル嗜好がファッション、家具、食べ物など
 ライフスタイル全体でブームが来ている中
 出来るところからボタニカルな生き方をしようよ、というコンセプトの
 ボタニカルシャンプーが自然派志向の女性に受け入れられた。

 

ネーミング、ボトルデザインがボタニカルらしさを直感的に表していた
 ボタニスト→ボタニカルを体現している人を想起
 白ボトル→シンプルオーガニックな成分を想起
 ボトルでなんとなくオーガニック感があり良さそうと感じて買った人も多いのではないか。
 ネーミングもわかりやすいし、海外の顔をどこかしている。

 

海外からの人気No.1ブランドの輸入シャンプーに見えた
 海外で売上No.1を取得し(短期間の広告出稿等戦略的に)
 海外で人気シャンプーが日本に上陸したような顔つきで販売した。
 実は大阪のイーネという企業のシャンプーだが、海外No.1ブランドとして見えるため、
 日本でも流行るはず!いち早く取り入れなければ、と感じた人も少なくないはず。

 

美容室未満の高めの金額設定
 普通のシャンプーの2倍近くの高めの金額設定も
 美容室シャンプーまでは手が出ないがちょっといいものを使いたい層が反応した。
 食器洗剤のフロッシュに近いが、高い金額設定だと、その分素材にこだわり高品質に思える。

 

セレブによる流行感を醸成
 サンプリングを活用したバイラルマーケティングを実際に行ったかは不明だが
 多くの男女セレブのブログやインスタで紹介されて流行に敏感な若年女性が飛びついたのは事実。
 インスタの普及に伴い、ボトル写真と共にセレブが使ってますアピールは購買の後押しに繋がったのではないか。

 

店頭とECの2チャンネルを活用
 後発シャンプーのため、ECにおいても他社と比べ積極的に販売がしやすかったはず。
 ドラッグストアに並ぶ既存シャンプーは、
 これまでの流通との関係上なかなかECでの拡販に力を入れることは難しい。
 後発組だからできるチャネルの使い方。
 ECでは、購入を促すため、ダイレクト企業の定石である長いランディングページで
 シャンプーの良さをしっかりと訴求しそのまま購入できる導線を作った。
 クーポンはその際の後押し施策にも繋がった。

 

ボタニカルブームもありうまくその空気に乗ったのもあるが
ボトルや金額、プロモーションまでかなり秀逸にマーケティング活動している商品。

 

一時期、ダウニーがテレビCMを使用せずにコストコを中心にじわじわブームがきて
多くの量販店で輸入ダウニーが大ヒットした過去があるが
それに近いというか、マスを使わずにぐんぐん伸びる商品は興味深い。

 

ボタニカルは、じわじわクチコミを使いながらここまでシェアを伸ばしたので
ここでテレビCMをガツンと打つと更にシェアも伸びそうだ。

 

ポケットドルツが発売後1年間は雑誌広告などでじわじわ草の根マーケティングして
じわじわ→ざわざわになったタイミングでテレビCMを打ちメジャー化したのもあるし。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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