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リスクを楽しむブラインドショッピング

TSUTAYAのNOTジャケ借。

SNSで結構話題になっている。

 

「敢えて見ない」という借り方。

 

パケ買い、ジャケ買いという投稿が多いように、見た目でココロときめいてモノを買う人がいるなか、その逆を行く借り方をTSUTAYAは提案している。

「爽快感100%保障。」

「物語を根底から揺さぶるドンデン返し。」

「恋がしたい。恋がしたい。恋がしたい。」

パッケージの表紙はただそれだけしか書かれていない。

以前、「文庫X」という新しい書籍の売り方が多くのメディアで取り上げられたが、それに近い物を感じる。

パッケージデザインで脱落する顧客に、中身で買ってほしいという店側の想いが「文庫X」という新しいスタイルを生んだ。

「NOTジャケ借」も「文庫X」も、お財布には余裕があり、その過程自体を楽しもうとする層が恐いもの見たさで飛びついた。

この何が得られるかわからないという"リスク自体を楽しもうとする行動"は、ブラックボックス展も同じだろう。

何が展示されているか誰にも言及しないという誓約書を書いたうえで展示を楽しむ視聴スタイルも、ドキドキ体験を得たいという気持ちが多くの人の足を運ばせた。

まぁ、これはこれで運営に問題があって、別の意味で話題になったのだが。

暗闇と言えば、暗闇バーや暗闇レストランもある。

海外では結構多いが、日本でもいくつか存在。

その名の通り、真っ暗でほとんど見えない中で飲食をする。

ここ最近のインスタ映えブーム。

とにかく写真にキレイに残すという体験とは対極にある購買行動「ブラインドショッピング」。

写真には残らないが、他では得られない購買体験ができることが、ブラインドショッピングを行うメリットだ。

豊かになった現代だからこそ、何が得られるかわからないものにもお金を支払うことができる。

 

友人知人と会話するために、自らお金を払って体験をする。

人は誰かと会話したい生き物であり、同じ気持ちを共有したい生き物だ。

人の想像力によって商品やサービスの価値を高めるのは、結構高度なコミュニケーションなんだよな。

 

 

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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