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中価格帯ブランドの苦戦

コスメ、家具、家電と多くの業界で中価格帯ブランドが苦戦している。

 

高額商品と低額商品の二極化が進んでおり、その真ん中の中価格帯が売れないという構造が顕著だ。

 

とくに、ファッションではその傾向が顕著で、中価格帯ブランドは苦戦が続き、商業施設から撤退するブランドが少なくない。

 

お金に余裕がある人はモノを買い揃え、もっと質の良いモノ、もっとグレードの高いモノを選ぶ。

 

そうでない人も、お金をかけるものとかけないものがよりはっきりとし、必要と思うモノにはしっかりお金をかけている。

 

インバウンドを見据えて高額商品を出していた企業は昨年まで非常に業績がよかったのではないか。

 

そして、多くの業界で価格競争が進み、安価にモノが手に入るようになった。

 

質の良いモノも手軽に手に入る時代になり、あえて中価格帯の商品を選ぶ人がいなくなった。

 

最近では、GUやユニクロが好きです、と自信を持って答える人も多い。

 

安いし、質もよく、コスパがいいじゃないですか、と。

 

韓国コスメ、中華製家電など低価格帯が売れている反面、バルミューダ、THREE、カナダグースなど高価格帯も売れている。

 

インスタ映えによる、部分リッチ化もそうした購買行動の背景にありそうだ。

 

また、生活者のスマホ第一主義の生活行動は、移動時間、友人との待ち時間、寝る前の休息時間など、全ての隙間時間がスマホで埋められている。

 

隙間時間ゼロ

 

直感的に欲しいと思った瞬間、即座に調べる。

 

ググったり、タグったり、気になった商品をその場で情報収集。

 

そして、いいなと思ったら、ECサイトでポチる。

 

この一連の流れが即座にできない商品、導線の作れていない商品は、もう生活者の頭の中のタイムラインで流れてしまい再度検討の土壌にあがることはない

 

それくらい、いいな→購買までのスピードが速い

 

一方で、所有から回転へと言われるように、メルカリ等のC2C売買が広がったことでモノの循環スピードも速い。

 

失敗したら売ればいい。

 

情報もモノも、回るスピードもどんどん速くなる。

 

最近のお笑い芸人が短命なように、商品の鮮度の落ちるサイクルが速くなり、次から次へと鮮度の高い情報を投下していかないと、古くてイケてないブランドに成り下がってしまう。

 

ブランドを維持するためには、市場を見ながら即座&柔軟に対応できる社内の体制づくりから改める必要がある

 

プロモーション予算を増やせばいいという単純な問題でもなくなっているのが現状だ。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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