インフルエンサーは、なりたい職業で医者や科学者よりも全然上だ。
なりたい職業ランキングで、YouTuberは、小学生では6位、中学生では3位。
中国のZ世代も、なりたい職業でインフルエンサーが上位にきている。
それだけ、華やかで稼げ、人気の職業ということか。
17-18年と日本でもインフルエンサーブームが来ているが、海外のトップインフルエンサーのフォロワー数は桁が違う。
Forbesがまとめているトップインフルエンサーの上位を見ると、
コスメ部門では、Zoe Suggが、YouTubeのチャネル登録者数が1201万人。
Twitterのフォロワー数が20万人、Instagramはフォロワーが120万人もいる。
また、弟と立ち上げたコスメブランドも人気で、多くのサブスクライバ―を抱えている。
雑誌の表紙を飾ったり、小説が発売一週間で7.8万部も売れ、ハリーポッターの発売一週目の販売実績を超えるなど、イギリスで最も影響力のある Tweetersに選ばれるほどの人気がある。
ペット部門では、Grumpy Catが、YouTubeのチャネル登録者数が26万人。
Twitterのフォロワー数が149万人、Instagramのフォロワー数が240万人。
ニュース専門放送局のMSNBSが紹介したことで人気となり、ぬいぐるみやシャツなどのグッズが大当たりし、本やCMに出演するなどして、ペットなのに1億ドルも稼ぎ出している。
キッズ部門では、Ryan Toys Reviewが、YouTubeのチャネル登録者数が1644万人。
Instagramのフォロー数が2万人。
推定年収は1100万ドルと、もう大人になっても遊び続けられるほど稼いでいる。
そりゃ、なりたい職業の上位になるよねと。
その中でも、ここ最近よく聞く、カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)の凄さは圧倒的だ。
そもそも超セレブのカーダシアン家の5人の娘は、人気リアリティショー「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」に出演するなど、家族自体が超有名。
5人の娘の中で、Instagramのフォロワー数が最も少ないコートニー・カーダシアンですら6500万人。
カニエ・ウェストと結婚したキム・カーダシアン・ウェストは、フォロワー数1億1300万人。
一家でフォロワー数が5億人と桁違い。
アメリカの人口が3.2億人なので、総数はアメリカの国民数より多い。
なんだこの家族。。
当のカイリー・ジェンナーは、フォーブス誌の「自力で富を築いた米国の女性富豪ランキング」に最年少で入り、来年Facebookのマーク・ザッカーバーグを抜いて、史上最年少でビリオネアになるほどのセレブ。
若干21歳で、ソーシャルメディアを駆使してビジネスを行い、ビリオネアになるのも、イマドキな感じ。
ソーシャルメディアの申し子ともよばれているほどだ。
若年層に人気コスメブランド「カイリー・コスメティックス」を設立。
ソーシャルメディアで、ファンに向けてセルフィ動画を継続的にあげたり、商品を紹介している。
最初のブームは、真空状態にしたショットグラスを口全体に吸い付かせ、唇を腫らせる「カイリー・ジェンナー・チャレンジ」がジェネレーションZ世代でブームになったときだ。
1.5万個のリップキットを製造し、発売まで何か月もかけて、リップキットを紹介。
じらしにじらせまくった露出でリップキットは大きな話題と期待を生み、発売開始から30秒で完売。
以来、総売上額は6.3億ドル、企業価値は8億ドルにものぼる。
凄いのが、これらを作る企業の身軽さだ。
従業員は12人だけで、フルタイムが7人、パートタイム5人でなりたっている。
製造や包装はプライベートラベル製品を作る企業に委託し、販売や受注はECプラットフォームのShopifyを活用。
財務や広報は、母親のクリス・ジェンナーが担うため、諸経費や販促費も殆どかからない。
自らをブランド化し、その熱狂的なファンに向けてソーシャルメディアで情報を発信し続けることでブランドの価値を高め、数千円する中価格帯コスメがバカ売れする仕組みを作り上げている。
カイリー・ジェンナーは、生まれながら自身が有名人であることを理解し、無料でマーケティングができることを最大限活かすことで、莫大な富を築いている。
ここまでファンがいると、ファッションやフード、エステやジムなど、他ジャンルのビジネスを展開してもおそらく成功するだろう。
フォロワー数が数万人~数十万人のインフルエンサーは、企業の商品を使って感想を言ったりおススメするPRで稼げるが、数千万人を超えた規模感になれば、自らのブランドを立ち上げた方が圧倒的に稼げる。
日本ではフォロワー数が1万人を超えるくらいのマイクロインフルエンサーがとても多いが、もっとグローバル単位でフォロワーのいるようなスーパーインフルエンサーの育成を企業がしていく、という成功モデルが今後でてくるといいな。
タレント事務所が、テレビ出演を中心とした人の育成だけでなく、デジタルで人気のあるインフルエンサーにも触覚を伸ばしているのも、そういった目論見がありそうだ。