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業界の変化とマーケティングの陳腐化

東京経済のヒットが出ない!「スマホゲーム」業界の憂鬱という記事より。

数年前までCMをガンガン投下しダウンロード数を稼ぐようになったスマホゲーム業界も、主要企業の7割は減益・赤字という苦しい業界に。

市場の成熟化により、新作ヒットが出にくくなったこと、高クオリティのゲームアプリが当たり前になり、開発コストが黎明期の5倍と急増していることが要因だ。

スマホゲーム業界では、最初に刈取り中心のデジタル広告でユーザー数を増やし、ファン向けのイベントや、ゲームカテゴリで人気のYouTuberの活用、その後刈取りが鈍化したタイミングでTVCMを実施、というコミュニケーションが定石だったが、もうその手法すら陳腐化してしまった。

ここ数年で市場が急に伸び、そして鈍化、あまりに早い市場のサイクルになっている。

 

自動車業界も大きな変化が。

これまではTVCMでブランド認知を高め、ディーラーに複数回来店してもらい成約という行動をとっていた生活者も、スマホ中心の生活になってからは、ブランドサイトや比較サイトなど数十回サイトを閲覧し、絞り込んだうえでディーラーに来店する。
そして、1回だけの来店が大半で、そこで成約してしまう。

ディーラーに来る前に勝負がついてしまうため、各社データを使ったマーケティングに勝負所を変えてきている。

ここ数年の話だ。

 

そして、広告業界も。

通常、コミュニケーションにおける競合案件は、他代理店数社との戦いが全てだった。

総合代理店、ネット系代理店の某社を競合に見据えて戦うのがこれまでだったが、ここ最近、コミュニケーション案件なのに競合にすらよばれないこともある。

よばれているのはコンサルティング会社だ。

データ系、デジタル系はコンサルティング会社が買収したデジタルエージェンシーが入ってくるということはあったが、今では、ガチのコンサルティング会社がそれを担う案件も出てきている。

エグゼキューションパートは弱いものの、ブランド・戦略パートに関しては広告会社の提案書にかなり近いものを出しているのが現状。

代理店からコンサルティング会社へ転職する人もいるので、そういった人の知見も入っているのだろう。

代理店の提案に飽きて目新しいコンサルティングへの依頼をトライしているのか、もう少し上のレイヤーの非マーコム領域から一気通貫でコミュニケーション設計を求めているのか。

 

あっちもこっちも業界や生活者の動向が大きく変わっており、新しいマーケティング手法もすぐに陳腐化してきている。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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