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ターゲット設定の奥深さ

プロモーションを考えるうえで、「お客様を理解する」のは、最も重要で、初期段階で必要なことだ。
ただ、このターゲット設定も正直答えはなく、プランナーによって色々な宗派がある。

 

正解は恐らくない。
結構多いパターンとして。

 

1つ目。
コアターゲットを一人に絞る。

マス広告中心のクライアントに多いやり方。
とくに、店頭の棚取りが強かったり、あまり検討せずに購入する商品を扱うメーカーが多い。

 

競合ひしめく市場で戦っているクライアントであれば、競合Aから30%、競合Bから20%の顧客を取りに行くといった、競合商品の使用者を主にターゲットにセットすることが多いのではないか。

そして、誰を狙うべきかを検討し、その人にあった、コンセプトテーマ、施策、メディアへと落としていく。

 

2つ目。
メインターゲットとサブターゲットに分ける。

コミュニケーションターゲットと実売ターゲットが異なることはよくある話。
実際購入しているのは40代が多くても、ブランドの鮮度維持のために20代の向けの顔つきをしたコミュニケーションを続ける、といったコミュニケーションターゲットを若く設定している企業は多い。

 

そんな時に、コミュニケーションターゲットをメインターゲットと置き、プロモーションでは"攻め"を意識する。
そして、実売ターゲット(もしかしたら何もしなくても買い続けてくれる人)をサブターゲットとして、離脱防止や使用頻度向上のために狙う。
こちらは、"守り"を意識する。

 

このように2つにわけて、攻めと守りをバランスよく予算配分する

 

3つ目。
クラスタやトライブ、セグメントなど呼び方は何でも良いのだが、複数個ターゲットの群を作り、それらを狙う

ダイレクト系クライアントに多い。
複数あるターゲット毎にシナリオを作って、デジタル広告で細かく打ち分ける形で使われる。

 

最近、あまり検討期間を必要としない商品を扱うクライアントでも、この考えを持ち込むプランナーが多いけど、あまりうまくいかないことが多い。

それは、カスタマージャーニーを作ったとしても差があまり作れないことが要因だ。

差をつくったとしても、それはプランナーの書きっぷり(鉛筆舐め舐め)によるものが大きく、精緻というよりもエイヤな部分が多い。

 

そして、ターゲットAとBのファネルの上部は同じだから施策は1つでいけますみたいな、複数に分けた群をまた統合していくことに繋がり、複数の群をわけた意味がなくなっていく。

ターゲットAは堅実家なので、メッセージも堅実的な方がいいとか言われがちだが、ターゲットBもCも当ててみたら、それに反応することも多かったりする。

 

つまり、ターゲットを絞るか複数で行くかは、ブランドや商品によって変えないといけない

 

また最近は、自己評価⇔社会・他者評価、向上⇔維持の4象限で分けてセグメントを作るやり方も出てきている。

社会・他社評価×向上では、周りからの評価を上げたいから選ぶという「社会的承認」軸
社会・他社評価×維持では、周りからの評価を下げたくないから選ぶという「社会的一貫性」軸

自己評価×向上では、自己満足を得たいから選ぶという「自己承認」軸
自己評価×維持では、自分に不満を感じたくないから選ぶという「自己一貫性」軸

4つのセグメントにターゲットを分けて、それぞれを狙うのか、優先度をつけて絞るのか検討する。

 

ターゲットついでに記すと、ペルソナはターゲットとは異なる。

ターゲットは狙う人ペルソナは語りかける人とした方がわかりやすい。

 

どのように語りかければそのペルソナが動くのか、コミュニケーションのシナリオを作るためにペルソナを設定する。

ストプラで言うコミュニケーションシナリオ、クリエーティブで言うトンマナにそれは関係する。

 

ペルソナを描くにあたって、書くべきは"心の叫び"であり、何に普段から悩みや不満を持っているのか、どういう生活をしており、どういう価値観なのか、定性定量調査などから得られたインサイトをベースに、沢山想像し妄想しながら書き上げていく。

ターゲティングでは、その細かい針の穴のようなインサイトをベースにセグメントするよりも、デモグラや属性、趣味嗜好くらいの少し荒っぽいセグメント粒度にとどめ、複数のメッセージを全セグメントに当てた方が効率がよい。

当ててみて反応がよいメッセージが、刺さるインサイトという考えだ。

 

ほぼ毎日のようにコミュニケーションを設計しているが、ターゲットは本当に奥が深く、誰を狙えばよいか、どう導くのが一番良いのかいまだに正解にたどり着けていない感がある。

 

 

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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