BI

サイジングを制する者は、市場を制す

サイジング領域がいまアツい。

 

ASICSは、昨月、スマホで足を撮影するとサイズを計測できるアプリ「MOBILE FOOT ID」の配信を日本と米国で始めた。

A4サイズの紙に、縦半分の折り目を付けてから足をのせ、上と側面の2方向で撮影すると、足長と足幅を約1秒で計測する。

 

このあと、ランニングの習熟度や性別や使用目的を回答すると、オンラインストアで適した靴を提案してくれる。

オンラインストアのこれまでのハードルは、届くまでサイズが自分に合うかわからないことだった。

 

個人的には、会社の靴はLOCONDOで結構買っている。

なかなか買いに行く時間がとれないので、気になったものをポチポチ選択して届いたものの中から、気に入った靴のみ手元に残し、残りを全て返品する。

 

LOCONDOは21日以内であれば、返品無料、送料も企業持ちとなっており、オンラインで靴を買うハードルがかなり下がっている。

 

ただ、ASICSの行っているのは、その手前で精度高くサイズを測り、よりぴったりと合った商品を提案できることが強みだ。

また、そのデータも他の靴メーカーに販売したり、共有することで、ネットで靴を買う市場を大きく広げることができる。

 

ZOZOが靴のサイジング研究を進めており、今後リリースするという発言に、もしかしたら危機感を持って先にローンチしたのかもしれないが。

 

ZOZOは昨年かなりネットを賑わせたセンシングツールを無償提供し始めた。

ZOZOSUIT。

漫画GANTZのスーツと同じような、黒色で肌にピッタリと張り付く計測ツールだ。

身体上下を瞬時に採寸し、そのデータがZOZOのデータベースへと蓄積される。

 

ZOZOユーザーも自分に合った商品を選びやすくなるし、まだ買ったことのない新規顧客もこのツールで間違いのない商品選択ができるようになる。

実際に、リアル店舗で服を買っている人も、自分の細かい身体のサイズは知らないのではないか。

 

SMLの3種類のサイズの中から選んだり、身長に合わせて買うのが一般的だ。

 

最初に身体のデータをおさえておけば、ネットでもそうだし、リアルの店舗でもZOZOの身体データは有益だ。

試着を不要とし、自信に最適なコーディネートも探しやすくなる。

 

ASICSやZOZOのようなファッションだけでなく、ビューティー系も同じように計測にトライしている。

 

カネボウのsmile connect。

スマホのジャックに差し込んだセンサーを肌にピタッとひっつける。

 

そうすると肌の水分量を瞬時に計測し、自身のコンディションを知ったり、きれいになるためのヒントをコンテンツとして得ることができる。

その時のコンディションによるお手入れが必要だし、自身が乾燥肌と思っていてもそうでないこともあったりするため、まずは正しく計測することが大事だ。

 

今後も、この領域のサイジング競争はより激しくなるのではないか。

 

帽子メーカーは頭のサイズを、育毛やカツラメーカーは頭髪の状況を、化粧メーカーは顔の皮脂や皺の状況をより正確に計測し、データを蓄積。

他社より早く情報を囲い込み、その人に適した提案に繋げていく。

 

無償でツールを配布し、データを蓄積することが近道だとすると、大手でないとなかなか体力がないかもしれないな。

関連記事

  1. 話題になれば商品は売れるってホント?
  2. 広告費3倍差もあるクリントンを打ち破ったトランプのコミュニケーシ…
  3. デジタル会話量という新指標と計測の仕方
  4. 適したサイズに変えるだけでもイノベーション
  5. 企業コラボレーションの成功法則
  6. マズローの6段階目の自己超越欲求が日本に定着するか
  7. 優良顧客なんてない
  8. オリジナル電子レンジAmazon Basics Microwav…

Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

My Social Media Account

  1. Facebook
  2. Instagram
  3. Twitter
  4. Booklog
  5. RSS

最新記事

PAGE TOP