メルカリが先月より、ライブコマースを連動させた機能「メルカリチャンネル」を法人向けに一部開放した。
国内大手企業やEコマース事業など11社が参画したとのこと。
ライブコマースとは、リアルタイム動画配信と商品販売・購入のことだ。
ネット上でリアルタイムで動画が流れ、欲しいと思ったそのタイミングで動画を見ながら商品を購入することができる。
ジャパネットが開拓したTVのリアルタイムショッピングのECバージョン。
国内もここ1-2年で一気に増えた。
CandeeのLive Shop!や、Laffy、MimiTV、Pinwulなど。
大手よりも、デジタル新興系企業が、タレントやモデル、インフルエンサーと繋がりを持ちつつ、ECへと領域を拡大し、ライブコマースとして我先にと参入してきている。
流れ的には、静止画で商品を薦める時代から、動画に移り、そこからリアルタイム動画でECへと繋ぐライブコマースへと発展。
人を集め、そのまま商品へと誘導するのはごく自然な進化だ。
ここ数年の、大量のインフルエンサー、Instagramerが生まれた現在、この流れはより加速するだろう。
企業側も、インフルエンサー施策をひとしきり実施した後、社内で「そのインフルエンサーが投稿したことで、いったいどれだけ商品が売れたのか、どんな効果があったのか」と問われているだろう。
インフルエンサー施策は効果測定が本当に難しい。
いいね!やコメントと言ったエンゲージメントも、インフルエンサーによって集まりやすい人もいれば、そうでない人もいる。
そのため、エンゲージメントだけで投稿の良し悪しは判断できない。
また、いいね!が多かったから売り上げがそのまま伸びることはまずない。
中間指標だが、中間指標になっていない。
インフルエンサーによる静止画や動画での告知だけでなく、そこから直接売りにつながるしくみを企業側が望むだろう。
メルカリチャンネルによって、大手企業を中心にタレントがライブコマースで商品を訴求することが増える。
特定のファンを持つタレントやインフルエンサーがそのままリアルタイムで商品の良さを伝える。
ファンは好きなタレントの動画をリアルタイムで視聴し、タレント愛の延長でその商品をポチっと購入してしまう。
まだこの取り組みの将来性を静観している企業も多そうだが、今後動くと思われるのが、ビューティー系企業、ファッション系企業、そして、出版社や芸能プロダクションなどではないか。
ビューティー系やファッション系企業はとにかく競合が多い。
商品開発やコミュニケーション設計、接客や出店含め、頭を悩ます部分がとても多い。
また、生活者の購入場所はネットに移ってきており、生活者に届けるためのアプローチとして、一定のファンを持つタレントやインフルエンサーを起用して、期間限定やイマダケという言葉と共に商品を売れないか模索していく。
モデルや読者モデルを起用している出版社や、タレントを抱える芸能プロダクションも、雑誌やテレビの接触者が減る中、ネットでの新しい儲け方を見つけにライブコマースにも入ってくるだろう。
テレビCMが打てないような小さな企業も積極的に参入するだろうし、大手も多様化した嗜好に対応するため、ブランドごとにライブコマースを用いる。
今後の戦いは、ライブコマースの勝ちパターンを早く見つけることと、売れるタレントやインフルエンサーを囲い込むことだろう。
旧来型のテレビショッピングでウン億と売ってきた有名キャストが、こういった新興系企業への転職や協業も増えるのではないか。