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広告会社も参入 インダストリー4.0

ドイツが進める製造業の革新インダストリー4.0。

産業機器を繋いでモノづくりのプロセスを自動化したり、サプライチェーンを構成する企業同士の連携を深めたりすることが狙い。

ドイツでは、産官学や労働組合など多くのメンバーの共同作業によってインダストリー4.0に取り組んでいる。

どうすれば企業間で安全にデータをやりとりできるか、業務プロセスをどう変えればよいかなど。

世界中でIoTが注目されているが、その産業機器版ということか。

広告会社もデジタルシフトが進み、これまでのコミュニケーション領域を主とした稼ぎ方から、広い意味でのマーケティングパートナーになるべく、新しいビジネスに挑戦している。

コミュニケーション領域での、マーケティングの高度化もまだまだやるべきことは多い。

広告予算の最適配分や、あらゆるデータが取得できるようになった中での効果検証と改善、ビッグデータを活用した商品開発や、来店促進など。

ただ、それだけはなく、コミュニケーションより外の、製造、調達、流通といった領域まで広告会社として携わろうと各社チャレンジしている。

ビジネスインテリジェンス文脈で、広告会社が培ったデータ分析力から、製造業に入りこむやり方と、製造分野に長けた経営コンサル出身者を中途採用し、コンサル領域で入りこむやり方、または、製造分野の知見豊富な企業を買収して、製造~コミュニケーションまで一貫して入りこむやり方などがある。

まだこの領域で大成功した広告会社はないと思われるが、インダストリー4.0に参入する広告会社は、製造業が盛り上がるのと同じように、これからもっと増えていくのではないか。

インダストリー4.0の事例を出す時、よくナイキのECサイトがあげられる。

決まったデザインの中から靴を選ぶのではなく、色や素材を自分の好みに合わせてカスタマイズした靴を注文することができる。

今まではコスト的に成立しなかったテーラーメイドの生産をマスカスタマイゼーション(個別大量生産)が可能になった。

広告も精緻なターゲティングが可能になり、一人ひとりに合わせた最適なコミュニケーション伝達を実現すべくテクノロジーが進化している。

商品側も製造の高度化でそれが実現するようになった。

それに伴い、多くのプレーヤーが参入。

インダストリー4.0の代表企業になっているシーメンスだけでなく、ボッシュやSAP、トヨタ、日産、GEなど超大手企業が入ってきている。

気になるのが、GEと業務提携したソフトバンク。

GEは航空や病院や電力、様々な企業から集まる膨大なデータを解析して新たな価値を創出。

ソフトバンクはそのソフトをカスタマイズして外部企業に提供。

お互いの強みを生かして顧客を増やしていく。

これらのように、色々な企業がこれまでの業務領域を拡大して、他業種が担ってきた領域に飛び込んでいる。

その流れは逆も多く、最近ではNRIデジタルの設立もそう。

デロイトデジタル、アクセンチュア・インタラクティブ、IBMデジタル・マーケティングなど。

どの領域を軸として戦っていくかが鍵になるが、およそこれまで戦うことのなった企業が競合となり、それらと手を組みながらビジネスをしていくことになるのだろう。

ビジネスの垣根がどんどんなくなってきた。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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