バーチャルYouTuberとは、その名の通り、バーチャル(仮想)のキャラクターで活動するYouTuberのこと。
VTuberとも呼ばれている。
2DCGや3DCGで作られたキャラクターが、動いたりしゃべったり歌ったりする。
リアルのYouTuberとお仕事ご一緒することはあるが、アサイン費がここ数年でかなり値上がりしている。
有名な人はどんどん値上がっているし、競合クライアントも影響力のあるYouTuberを起用したプロモーションを実施するので、アサインしたい人は大体競合クライアントも過去実施している、ということがたびたびある。
人気な人はどんどん人気になる世界だ。
そんな中、バーチャルYouTuberが、ここ2-3年で増えた。
個性的な性格の可愛らしいキャラクターがモーションキャプチャやリップシンクでリアリティのある動きをしている。
実際動画をいくつか見ていると、人間味を感じる2DCG、3DCGのキャラクターが、リアルのYouTuber並みにコンテンツを盛り上げており、のめりこんでしまうのもわかる。
なんだろう、好きな声優のラジオを聞いているというか、毒づいたしゃべり方も、キレイすぎない人物像に好感を持ってしまうのだ。
5人いるけど四天王と言われるキャラクターのファンはかなり多い。
キズナアイ
190万人、1億2,000万回再生。
2016年から活動を開始。はじめてバーチャルYouTuberを自称した。親分と呼ばれる。訪日促進アンバサダー就任。
輝夜月(かぐやるな)
68万人、4,000万回再生。
2017年の12月に開始し、話題になった。Mika Pikazo氏デザイン。首絞めハム太郎、見るストロングゼロといった異名を持つ。
ミライアカリ
59万人、4,500万回再生。
2017年10月末からミライアカリプロジェクトがスタート。株式会社DUOが運営。初音ミクのデザイナーKEI氏によるハイクオリティなデザイン。
電脳少女YouTuberシロ
46万人、4,000万回再生。
2017年6月から活動開始。武道館でコンサートすることを夢見ている。英語が得意。特徴的な笑い声から、ファンにシロイルカと呼ばれている。
リアルのYouTuberと比較してみる。
はじめしゃちょー
633万人、49億9,000万回再生。
Hikakin
606万人、47億4,000万回再生。
この二人は圧倒的な人気と再生回数。
全然、桁が違う。
ちなみに人気のAKBは、
AKB48
204万人、15億2,000万回再生。
キズナアイが190万人の登録者数とすると、ほぼAKB48の登録者数と同じくらいいるということになる。
まだ、特定の濃いファンだけに人気なのかと思いきや、もうこんなにも人気な存在になっていたのか。
リアル、バーチャル含めたYouTuberランキングでも、キズナアイは29位に入る。
よくYouTubeで新曲を聞くONE OK ROCKはというと、
ONE OK ROCK
185万人、6億3,000万回再生。
キズナアイの方が多い。
企業チャンネルで言うと、ポケモン244万人とユニバーサルミュージック180万人の間で企業チャンネルTOP3に入る。
ディズニー公式よりも多い。
初音ミクのときは、2012年に政府がクールジャパン戦略推進事業として、ボーカロイドを推した活動を行った。
初音ミクは、日本の代表ポップカルチャーという国のお墨付きを得たことで、その後、飲料やコンビニ、自動車、ヘアケアなど多くの企業が広告に起用した。
政府がボーカロイドに対して市民権を与えたのだ。
バーチャルYouTuberも同じようなことが起こっている。
キズナアイは、日本政府観光局(JNTO)の訪日促進アンバサダーに就任されており、海外に誇るジャパンカルチャーとして国のお墨付きを得たことを考えれば、初音ミクの時のように、バーチャルYouTuberも市民権を得て、今後、急速に多くの企業が起用することに繋がりそうだ。
今年のニコ超では、小林幸子とキズナアイがコラボし二人で千本桜を熱唱するなど、リアルとのコラボができるということも示していた。
この活性化しだしているバーチャルYouTuber市場にGREEも参入。
ゲーム事業、メディア事業の次の第三の柱と位置付け、プロダクション事業に今後注力していくとのこと。
ゴリラズや仮面女子など、(バレてはいるが)正体を隠して活動しているアーティストもいる。
誰が中の人なのか、というのも興味をそそるのかもしれない。
個人的にはこの領域、映画と相性が良いのではと思ってしまう。(君の名は。のようなジャパニーズアニメが特に。)
最近、生活者の映画離れが顕著で、映画に行く回数は年平均1回という調査結果もあるようだ。
映画を見る回数を増やすというのは結構難しくて、生活必需品とかでないので支出項目の優先順位としては下がってしまう。
でも年平均1回の映画視聴に絡めて、映画を見る→その俳優や声優のコンテンツが動画で楽しめる→より映画にのめりこみその動画のコンテンツに対価を支払う、みたいなことが実現できれば、顧客の単価UPに繋げられそうだ。
大好きな映画のキャラクターと会話できる、歌ったり会話したり、映画の役柄だけでない顔をのぞかせるコンテンツがあれば、よりその映画を好きになるはず。
ときメモ世代からすると、このジャンル結構嫌いじゃない。
日本以外のバーチャルYouTuberの増加や、男性バーチャルYouTuberが参入するなど、今後の市場拡大が楽しみだ。