カロリーメイトの「夢の背中」というCMがとても素敵だ。
久々に、TVで観てCMを気にいり、ネットで調べ、長尺版を見つけ、それを何度も何度も見直した。
それくらい好きだ。
このCMは母親と息子の2人の目線で描かれている。
だから、子どもをもつ世代からすると、二倍理解でき、二倍感動する。
母親の変わらない愛。
受験と言う苦悩に立ち向かう息子を、ぐっとこらえ、後ろから見守る姿。
それは、小さいころに支えてきた愛情と全く変わらない。
息子は、浪人したことの辛さや、成績がうまく上がらないことで、つい物にあたってしまう。
だけど、深夜、母親に苦労をかけていることに気づき、親には迷惑をかけたくない、これではだめだと思いとどまる。
受験の辛さに途中でくじけそうになっても、母のことを思い出して、軌道修正する。
これはお互いの愛情を、お互いの年齢や視点で描いたCMであり、その道を通ってきた人からするととても共感できる。
親子の絆は、年齢を重ねようと全く変わらない。
見た目、距離感は変われど、お互いのことを思いやる気持ちは普遍なのだ。
まちがいなく、このCMでカロリーメイトを僕は好きになった。
カロリーメイトのCMは基本的に情緒ベネフィットに振り切った表現を続けている。
それを補足するためにWEB動画などで機能広告を行っている。
そもそもこの商品は機能がしっかりしているため、あらためてビタミンが○○、ミネラルが○○といった情報は不要なのだ。
○○を食べたら○○になるという情報ではなく、○○な時○○で悩んでいるあなたを支える、という表現でブランディングを行い、ファンを作っていく。
共感させ、ファンを作り、そのタイミングとなった人が、カロリーメイトを購入する。
この企画を成立させるとき、受験生ではない人、受験生の親でなければ、このCMは意味をなさないのでは、という議論があったかもしれないが、そのターゲットでなくても、その状況を”理解できる人”は心を動かすのだな。
全ての頑張る受験生を支える素敵なブランディングだ。