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インフルエンサーではなくアンバサダーを活用せよ

インフルエンサーとアンバサダーは違うが、わりとごちゃまぜで議論されることが少なくない。

インフルエンサーは、あくまで声の大きな人。
多くのフォロワーを保有し、クチコミの伝達力は有るが、商品に対する愛情の有無は別。

アンバサダーは、声の大小はその人による。
でも、商品に対する愛や忠誠心が高く、自発的にフォロワーや周辺の人たちに薦める人だ。

積極的に商品を薦める愛の尺度で、インフルエンサーとアンバサダーは区別される。

 

一時期、インフルエンサー施策が世の中に溢れた。(いまでも溢れているんだけど)

おしゃれ感度高い女子、読モ女子、ゴルフ女子、フットサル女子、…など色々な名称のインフルエンサーが出現。

インフルエンサー専門のキャスティング会社も山のように増えた。

 

だいたいどこも同じで、1フォロワー数円という単価でビジネスをしている。

インフルエンサーを専属で囲っているのもあれば、ただネットワーク化しているだけのもある。

予算500万円あれば、1万フォロワー以上保有しているインフルエンサーをウン十~ウン百人アサインできそうですね、みたいな形で設計されていく。

ちなにみ、インフルエンサーと呼べるのは、Instagramでいうと1万フォロワー以上を言うらしい。

 

この手法が蔓延したことで、同じインフルエンサーが先月はAというシャンプーをおススメと言っていたのに、次月はBというシャンプーをおススメと書いている、みたいなことが起こってきた。

生活者からすると「このインフルエンサー、結局お金で言わされているだけだな、これも広告だ」という認識で徐々に伝わりづらくなる。

 

そこで、企業側は「本当にうちの商品を好んで使ってくれている人に投稿してもらいたい」という発想になり、アンバサダー施策にシフトするようになった。

 

ここ数年、Instagramが普及したことで、このInstagram×アンバサダー施策がかなり増えた。

「Instagram アンバサダー」とかで検索すると事例もたくさん出てくる。

 

各社、インセンティブと引き換えに、一般生活者を募って商品のことを継続的に投稿してもらう取り組みを実施。

大きな費用をかけなくても自前でできてしまうし、写真映えや、デジタル上での露出が増えるので、手軽に取り組む企業が多いのだろう。

 

別にインフルエンサー施策自体を否定はしていない。

大半の広告がタレントだったり、モデルだったり、一般生活者だったりと、商品愛とは別に人をアサインして商品情報を発信している。

 

Fit’sの2年F組 Fit’s組というプロモーションもかなりうまいインフルエンサー施策だ。

一人ひとり個性を持たせたキャラクターを学校のクラスとして束ね、それぞれがタイムライン上で情報発信を行う。

クラスの派閥など人間関係まで細かく設定されており、サイト上で長尺のドラマが展開されているようだ。

見ている方も飽きないし、気付けばFit’sに関する関与が高まることを期待してるのだろう。

ティーンにも人気の渡辺直美を起用したり贅沢だ。

 

一方でアンバサダー施策は、どうしても実施するとなるとタレントよりもモデルだったり、一般生活者で構成されやすい。

タレントになると、大きな契約金が必要になるし、まずその商品を愛用しているタレントを見つけることが難しい。

複数人も束ねるとなると予算がとんでもないことになる。

 

PR会社によっては、タレントの事務所に商品を送りつけるメニューも有ったりするが、それはそれで配送料もかかるし、とりあげてもらえるかは確約できないので、ただただ祈るしかない。

 

個人的には、アンバサダー施策でうまい設計だと思ったのがHISのタビジョ

タビジョは、わりと色々な所で紹介される事例ではあるが、それだけ設計が秀逸ということだ。

旅行会社なんてどこで頼んでも一緒。

値段が安いか高いかくらいだ、なんて考えがちな中、タビジョ会という自走するアンバサダー施策を実施。

旅が好きで写真が好き、そして沖縄が好きといった、特定のエリアごとにタビジョ会を立ち上げる。

沖縄が好きな人は、沖縄タビジョ会のInstagramをフォローして活動に参加。

共通のハッシュタグで、感動を共有したり、リアルに交流できる会も実施。

オシャレな写真の撮り方やおススメのカフェを共有したりと、旅をより楽しむためのイベントを開くことで、他の旅行会社ではなく、「HISのタビジョ」を通じて旅行をするようになる。

うまいのが、お金を払ったり、物を配って繋がり続けるのではなく、好きな人が自発的に登録できるようなしくみを作り、それを受け皿にしているところだ。

サイトでは、写真から選ぶツアーだったり、タビジョレポーターがプロの視点でおススメの旅先を紹介したり、タビジョマガジンというWEBコンテンツを随時掲載。

国別のランキングを紹介したりと、インセンティブではなく、コンテンツできちんと人を惹きつけファンを増やしている。

 

アンバサダーマーケティングは、短期的に結果が出にくい施策のため、通常のプロモーションとは予算を別に取り、長い目でやっていかないといけない。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
BI・デジタル・ストプラ

 

三児のパパ

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