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ディグることを想定したコミュニケーション設計 BTS Dynamite

ディグる。digる。掘る。

レコードショップで、好みのジャケットを掘って探って、ジャケ買いする行為から派生して、若年層が興味のあるコンテンツを掘って楽しむことを指す。

ミレニアル世代もZ世代も、若いころからスマホがあるし、検索するのが当たり前なので、検索慣れしている。

検索を通じて、短距離で有益な情報を探し出すのも立派なスキル

 

いまじゃ、会社でもこのスキルが低いと生きていけないよ。

情報が増え続ける時代に、そのスキルは必須だし、若年層こそそのスキルに長けている。

認知や興味を持たせることにウェイト高めた、旧来の伝達型アプローチだと、ディグる要素がなくて、瞬間的にコンテンツが伝わって、一瞬で蒸発して消えていってしまう

対比して言うと、溶けるコミュニケーションか。

このディグることがきちんと設計されているコンテンツは、ファン化させるためのドライバーになってくれるし、ファンがファンを呼ぶ自走式のコミュニケーションに変わる。

 

BTSのDynamiteなんて今では公式PVだけでも12億回再生されているが、うまくディグることが組み込まれていたなぁと。

 

自分がDynamiteを知った時期のことを振り返ってみる。

もともと、メディアの着火剤と言えるTikTokで色々な人が、Dynamiteの楽曲でダンス動画をあげていた。

Dynamiteは、とても耳障りの言い楽曲なので、他の人のダンスはどうなのかとDynamiteを知らず知らずディグってた

 

徐々に、へぇ~韓国の男性グループなんだ。

ダンスだけでもめちゃくちゃカッコいいな~と少しずつ情報を知る。

最近、TikTokで投稿した動画をInstagramにも投稿する人も多いため、Instagramを見ている時も、Dynamiteの勝手ダンス動画に度々接するようになる。

その後、もっと長尺の楽曲が聞きたくなってYouTubeに飛んでDynamiteを検索。

もちろんBTSの本場のDynamiteが一番上に来るけど、BTSはうまいよね。

Danceバージョンに、B-sideバージョンに、振付バージョン、LIVEバージョンと、バージョン違いが時間差で沢山アップされている。

 

公式のPVだけでも何度も見て、うわーかっけーと思い、その後Danceバージョンもヘビロテして、振付バージョンもヘビロテして…徐々に全部平らげてしまうほど観入ってしまう

また、YouTubeの強い所は、カバーアーティストが沢山いて、リスペクトを込めて、様々な国籍の人がDynamiteをカバーしてアップしている。

音楽版のインターネットミーム

 

この人のカバーうまいなぁ、この人のDynamiteのダンス動画すごいなぁ、と気づけばBTSにどっぷり

 

極めつけは、リビングにおいてあるAmazon Echoで朝からずっとヘビロテ。

ディグったときの、興味の連鎖が途切れないため、気づけば一人で勝手にファンになってた。

 

もうあとは、BTSは他にどんな楽曲を出しているんだろうと、Amazon Musicを使って移動中もスマホでBTSの曲を聴き漁る

本当にうまくできた設計。

 

通常のブランドコミュニケーションに置きなおすと、ディグるだけのコンテンツが事前にバラまかれているようにティザー期を2-3か月伸ばして設計するか、キャンペーン期間の真ん中を山場に設けることが求められる。

 

今すぐに!時間がない!とか言っているブランドにはむかないコミュニケーション。

あと、コンテンツも企業が一方的に発信するだけだと、ただのパワー勝負になってしまうので、非効率

 

当然だが、C2Cを意識したコンテンツの設計も必要。

音楽も動画も静止画も、使って遊んでもらうことを前提に生活者にゆだねる

 

権利の問題が発生するので、多くのブランドコミュニケーションではやりづらいだろうけど。

YouTubeやTikTokでも動画の切り抜きは当たり前になっているので、そこ前提で考える

コミュニケーションプランニングをする際に、このコンテンツでYouTuberに投稿してもらおうとか思考ゼロで発する人いるけど、伝達型の発想から抜けないとその思考に陥る

 

質のいい一定量のコンテンツはブランド側から発信しつつ、C2Cを通じてコンテンツが生まれるようにゆだねることで、ディグれる準備が完了。

 

この下準備をしたうえで、マスコミュニケーションなのか、デジタルマスで大々的にコミュニケーションを行えば、一気に濃いファンを獲得できる。

 

Z世代も年を取って、メインターゲットにいつかなるのだから。

ディグること、ちゃんと意識しないと

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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