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売る前に勝負を決めるティザー広告 大切な4つの視点

デジタル会話量という新指標と計測の仕方の記事で、「話題化施策」となると踏みとどまる担当者がいるということを書いたが、「ティザー広告」と言葉を変えると実施に踏み切る担当者も少なくない。

話題化で物が売れるのかという声もでるなか、物が”販売される前”だとその考えが適用されないのか、「売る前にどんどん期待感を醸成したい」と思うようだ。

 

人間の本質的な部分は、どれだけテクノロジーが進歩しても変わらない。

チラ見せさせられると期待感を煽られるし、もっと見たい、早く手に入れたいという気持ちが湧いてくる。

 

ティザー広告は、昔からある手法だが、今でも多くの企業がコミュニケーションに取り入れており、その狙いも様々だ。

最近のティザー広告を元に、必要となる4つの視点をまとめてみる。

 

 

量の視点

マクドナルドではプレバズという指標と共に、販売前の話題化を最大化させることを常に意識している。

メディア(PR)による世間ごとと、生活者(SNS)による身内ごとの両輪でプレバズを作っている。

 

マクドナルドの新商品の売り上げは、発売開始から1週間が最も大きく、その後は徐々に低下していくため、最初の時点での認知と売上が重要だ。

そのため、発売前にいかにプレバズを起こさせるかがキーとなっており、拡散されやすいTwitterを中心に情報発信を積極的に行っている。

 

Yahoo!トピやLINEニュースの見出しに入るように、商品名を短く作っているとも聞く。

#夜マック

これと並行してニュース系メディアもこぞって取り上げたことで、多くのSNSで#夜マックに関する投稿がみられる。

これなら食べたいとか、デブ歓喜などの声も見られる。

 

連動の視点

Hondaでは、1/9に特設サイトでONE OK ROCKのボーカルtakaの無音の動画を公開。

ファンは無音の動画をもとに、新曲か?いったい何が起こるのか?とSNSを中心に多くの投稿を発信。

その翌日1/10には、渋谷109に#10969GVPというキーワードと、takaの後ろ姿の大型のポスターを掲載。

ONE OK ROCKファンは、10969(=ワン・オー・クロック)という数字が、そのバンドを指すことをわかっており、takaが新しいことを始めたのか?GVPはいったい何の略だ?と、こちらもSNSで大きな話題になった。

その後、#10969GVPというハッシュタグでONE OK ROCKとHondaの両社がTwitterで情報を投稿。

2万件以上のいいね!や4000件以上のRTがおこった。

 

テレビCM公開までに多くの話題を喚起した後、満を持してテレビCMを投下。

期待を煽ったことで、テレビCMのYouTube再生回数は1350万回以上にもなり、能動的にみられるCMとしては圧倒的な数を達成した。

アーティストと企業が連動しながら、あえて謎めいた情報を提供することで、多くの反響を得ることができている。

 

隙の視点

デジタルでは”突っ込まれビリティ”という、突っ込まれやすさを意識した設計にすると、多くの生活者が乗っかって話題にしてくれる。

auの板Phoneでは、突っ込まれやすい”隙”を作りながらネタ公開までに話題をうまく作っていった。

 

年始には笑おう篇のCMを放送。

お正月らしい賑やかで元気の出るCMだ。

この桃太郎がセルフィーで使っていたのがカマボコの板のようなもの。

ネットでもナニコレ的な投稿も。

au側も話題を起こすために、ROCKET NEWSを使って、「映像の差し忘れっぽいシーンを発見、auに問い合わせてみた」という自作自演記事を掲載。

この記事もSNSでも「おもしろいw」と話題になったのだが、今後のCMでその意味がわかるという謎の回答を掲載したこともあり、次のCMが気になるという声に変えていった。

そして次のCMでは鬼ちゃんの新しい副業である板Phone販売を描き、スマホの機種代金を最大半額まで持つサービスを紹介。

auのサービスの理解促進にうまく繋げていった。

ホームページでは、板Phoneのド真面目動画を作るなど、エイプリルフール並みの作りこみとジョークを展開。

「auが面白いことをやっている」と、コンテンツを出すたびに反応が途切れない話題化のスパイラルをうまく作った。

うまく隙をつくることで、その後のコンテンツに注目を集めることに成功している。

 

そして最後が、ストーリーの視点

昨年公開された映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」が、全米でホラー映画として初めて興行収入3億ドル(約330億円)を超える大ヒットを達成。

日本においても、初週3日間で2.8億の興収を達成と、ホラー映画が上位に来る異例の結果に。

この映画はYouTubeを中心に戦略的にティザー広告を実施していったことで、公開直前に作品認知度や鑑賞意欲度などの興行収入ポテンシャルを急上昇させた。

海外では、予告編がYouTubeにUPされると、「ワイルド・スピード ICE BREAK」「美女と野獣」を抜いて、24時間で1億9700万回という史上最多の再生回数を記録している。

日本でも縦型動画や6秒動画を複数種類作って、YouTubeやInstagramで情報を少しずつ展開。

「15歳未満はご覧になれません」という注意書きをあえて大きく書いて、逆に見たくなるように誘発させたり、時期に合わせてピエロの露出を変化させた。

ピエロの姿を見せすぎると映画の客足が鈍ると考え、公開前はあえてピエロが大きくでないような動画を流し、期待感と怖さを煽る。

公開後、SNSなどで「ピエロが怖い」と評判になってからは、一気にピエロを露出することで、多くの人にピエロの映画がなんか話題になっており、恐いけど凄い気になる、見てみたいという気持ちに変化させていたった。

 

日本の生活者の気持ちを理解した上で、どのストーリーでコンテンツを投下していくかをきちんと事前に設計したことで、映画館への誘導にうまく繋げている。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
BI・デジタル・ストプラ

 

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