何かソーシャルメディアが流行っていると、「で、次に来るソーシャルメディアって何なの?」みたいな会話が出てくる。
広告会社も海外で流行っているサービスに投資をしたり協業しているが、Second LifeやPinterest、Tumblr、SnapChatなど、日本では大して盛り上がりもせず消えていったサービスも実際多い。
MixChannelやSNOWなど、年代によって盛り上がっているものはあるが、ソーシャルメディア全体として短命なサービスが多く、今後日本ではこれがくる!とバッチリ当てることなんておよそできない。
そうは言っても、業界初とか日本初、と呼べる事例を作りたい新しいモノ好きクライアントもいて、「Instagramの次に流行るのって何なの?」とか言われたりもする。
Instagram Storiesを筆頭に、今年は生活者の短尺動画の投稿がまだまだ増えるのではないか。
2年前にInstagramにStories機能が追加されて、最初はモデルやタレントの動画投稿が増えてきた感あったが、ここ最近は一般ユーザーの投稿も多くなっている。
友人知人とのパーティの様子や、スポーツ観戦、お出かけなど"写真投稿の延長"として短尺動画をアップしている。
おそらくYouTubeのように、最初から動画投稿となると構えてしまって、なかなか自身の動画をアップすることは抵抗があっただろうが、写真投稿の土台ができた後の短尺動画なので、投稿ハードルが下がったと思われる。
もともとStoriesでは、投稿した動画が24時間で消えてしまっていたが、先月のアップデートでアーカイブとハイライト機能がついたことで、動画を保存することができるようになった。
そのため、今後は"質"にもこだわった短尺動画の投稿が増えていくのではないか。
静止画の「渾身の一枚」から、動画による「演じる数秒」に変わる。
可愛い、美味しそう、楽しそうといった、自分ブランディングに繋がるリア充動画が増えるのが想像できる。
インスタ映えから動画映え。
フォトジェニックからムービージェニック。
そんな視点で投稿が増えるため、ムービージェニックなコンテンツやイベントもおそらく増えていく。
食べ物、お酒などを提供するお店、キャンプやフェスなどのアウトドアや旅、アミューズメントパークなど、"体験"を売る業種がムービージェニックな動画を撮影できる付加価値をつけてサービスを展開していく。
静止画だけだったInstagramも利用者が増えるにつれ、企業顔負けのオシャレ画像を撮影する一般生活者が増えた。
同様に、動画においても、下手なCMよりも圧倒的にうまい短尺動画が一般生活者から出てくるかもしれない。
おそらく、その先の未来は2つ。
1つは、SNSによる"演じ疲れ"。
FacebookやInstagramも、コトバを選ばずに言うと見栄張りゲーム。
オシャレな生活をしている、可愛い物を持っているというスマホ内の自分ブランディングを構築してく作業だ。
GENKINGが過去、華やかなセレブ生活をソーシャルメディア内で演じるためにブランド品を買い漁り、総額1000万円もの借金を抱えたというニュースが注目されたことからもわかるだろう。
そしてもう1つが、"本質回帰"。
演じることに疲れた後にたどり着くのが、「素の自分でいたい」「自分らしく生きたい」という、ありのままの自分=本質に戻りたいと思うようになる。
自分は自分、演じる必要はないと感じ、肩の力を抜いて自分らしく生きている女性に憧れを感じる。
ローラとか中村アンとか、石田ゆり子が、飾らない女性として同性からも今人気があるのも、そういった演じ疲れからの本質回帰の兆候が出ているためではないか。
年齢やライフステージで、徐々にソーシャルメディアのアクティブ頻度が下がり、結果的に演じることをやめていく人も多そうだが、この螺旋から降りたくても降りられない生活者もまだまだ多そうだ。