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携帯キャリアCMは複数タレントの道へ

ソフトバンクが10周年を迎え、これまでブランドを支えた白戸家に、古田新太、竹内涼真、杉咲花の3名が加わった。

「10年間ありがとう」というCMでのメッセージに対して、「もっと白戸家をみたい」「やめないで」といった声が複数集まり、白戸家はそのままに、鮮度を上げるために新しいタレントを追加したようだ。

 

別に悪い意味でもなく、なんとなく「カオスになってきたな」と直感的に感じてしまった。

 

ソフトバンクだけでなく、ほとんどの携帯キャリアが複数タレント化の道をたどっている。

 

auは、松田翔太、桐谷健太、濱田岳、有村架純、菜々緒、川栄李奈といった豪華タレントを起用して、桃太郎、浦島太郎、金太郎、かぐや姫、乙姫、鬼ちゃん、織姫という登場人物のフォーマットで、連続性のある面白ストーリーを展開している。

それぞれのキャラクターがたっていて確かに面白い。

携帯キャリアについて、ソフトバンクやauは「CMが面白い」とよく聞くが、ドコモは「なんか地味だよね」と言われがちだ。

だが、最近は高畑充希、堤真一、綾野剛を起用して、ブルゾンちえみなどの旬のタレントを次々投下してブランドの鮮度を維持している。

 

ここんところのドコモはソフトバンク、auのような勢いがでてきた感がある。

ワイモバイルも、同じく複数タレント化。

人気の桐谷美玲、斎藤工に、親会社のソフトバンクと連動しているのか、愛らしい猫もアイコンとして起用。

 

現状、3キャリアとの差別化をはかるために、価格をメインにしたコミュニケーションが大半だ。

 

UQモバイルは、深田恭子、多部未華子、永野芽郁による三姉妹の設定で、青いガチャピンとムックを起用。

動物ではなく、キャラクターで勝負。

 

まだブランド認知の強化を全面に出したCMで、どこかマット感のあるビジュアルで異物感、異質感をうまく出している。

 

BIGLOBEモバイルは、池松壮亮、染谷将太、山本美月の3名を起用。

モノトーンとなんか芸術性の高いシンプルな訴求。

 

こちらも、まだブランド認知を意識した「B」というアイコンを強くビジュアルや音で伝えている。

 

楽天モバイルは、ローラを起用。

単独のタレントで、ちょっと前の携帯キャリアっぽい感じがするが、他のキャリアがカオスな方向に向かっているので、逆に目立つかもしれない。

 

LINEモバイルも、のんのみを起用。

ごちゃごちゃしていないので、シンプルで逆に映える。

大半が、複数タレントの起用化に進んでおり、新しく参入した携帯会社は資金の関係か単独タレントという状況だ。

携帯電話は、子どもから高齢者まであらゆる年代がつかうので、それぞれの世代をカバーするために複数のタレントを起用する方向になるのだろう。

 

生活者にとって(多少繋がりやすさやサービスの違いはあるが)そこまで携帯キャリアの差はないので、CMによる面白さや身近さ、鮮度のために、そもそも複数タレントのいるフォーマットの上に、旬のタレントを次々投下していくというスタイルになり、どの企業もカオス状態になる。

 

旬のタレントを押さえ、面白いストーリーに仕上げ、地上波で大量に投下するかという激しい戦いのスパイラルが待っていることはわかりつつも、他社がやっているためおりることができない。

 

タレントの契約費は莫大になり、さらにCMによるSOVも大切なため、強烈な消耗戦だ。

携帯キャリアの担当広告会社スタッフは、CMでドカンとやるコミュニケーションが多いので、派手で楽しそうにみえるが、そうとうハードな戦いをしているのだろうな。

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千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

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