Deconstruction

Deconstruction|20年分のありがとう新聞

※広告から、その基になったインサイトや企画等を推察するトレーニングDeconstruction(デコンストラクション)です
※下記は、個人的な推察のため正しいかは不明です

□商品・サービス
・大塚製薬
・オロナミンC
http://www.otsuka.co.jp/orc/

■企業・ブランド課題
・発売から50年以上たち、元気ハツラツ!というフレーズと共に愛されてきたが、
 今の時代に合った伝え方ができていない(と現場は何となく感じている)

■コミュニケーションの目的(何を達成するか)
・オロナミンCの資産「元気ハツラツ!」を今の時代にあった伝え方で、ブランド愛を強化

■ブランドを取り巻く環境(市場や競合の動き)
・国内外含めたエナジードリンク市場の拡大
・コンビニやスーパー、自販機など至る所で競合が売られるようになった

■コミュニケーションターゲット(誰に語りかけるか)
・成人の日を迎える20歳男女

■社会・生活者インサイト(トレンド、キザシ、価値観、心が動くスイッチ)
・普段言えないが家族などの身近な人へ感謝の気持ちを伝えたい
・成人の日は毎年荒れたニュースばかり流れるが、親へ感謝したり、これからの社会人生活を楽しみに真面目に生きている若者もおり、その人もフォーカスすべきと感じている

■カテゴリーインサイト(カテゴリの捉え方、選択基準)
・自身のやる気をひきだすエナジードリンクは数多ある
・昔は田植えを手伝ってくれたご近所さんにオロナミンCを1ケース渡すなど、ありがとうの気持ちを伝えるアイテムとして機能していた

■デバイス・メディア・コンテンツインサイト(接触・探索する情報、入手経路、重視点)
・デジタルの普及した世の中だからこそ、手書きや紙というアナログな伝え方の方がより新鮮で心に伝わる、手触りのあるコミュニケーションができる

■Reason To Believe(信じられる理由・根拠)
・感謝のツール

■機能価値(商品・サービスでもたらされる利便性や利益)
・元気で健康に過ごせる

■情緒価値(商品・サービスを所有・体験することで得られるポジティブな感情)
・貰った方も金額的に臆することもないし純粋に嬉しい
・菓子折りをもらったときのような嬉しさ

■アイデア(課題を解決する発想)
・元気ハツラツ!とは、人と人のつながりの中で生まれる人生のエールであると定義
・オロナミンCが新成人やその家族に人生のエールを贈るきっかけを作る
・○○成分が入っているといった機能軸ではなく、贈るときの関係性にフォーカス

■プロポジション(何をメッセージするか、間接的に伝わるメッセージ)
・オロナミンCで人と人を繋ぐ

■トーン(どんな語り口・雰囲気で伝えるか)
・広告的な見せ方ではなく、リアリティを優先
・カッコよさよりも不器用さの方が味わい深い

■現状(どう思われているか)
・オロナミンCは自身を奮い立たせる飲料

■将来像(どう変えたいか)
・オロナミンCは人との繋がりを支え、強い絆を生む飲料

■キャンペーン名(テーマ、外に出ないことも)
・20年分のありがとう新聞

■アウトプットメッセージ(外に出るメッセージ)
・20年前のかわいいわが子が新聞の一面に!?

■施策
・ネットで100名の公募を行い、当選者に顔写真とメッセージ入りのオリジナルの新聞朝刊を届けた
・その様子をWEB動画にしてブランドサイトなどで掲載

□結果
・多くのメディアで取り上げられた

大塚製薬は、ポカリもカロリーメイトもそうだが、本当に機能訴求をしなくなった。

ブランド愛を強める情緒価値に振り切ってコミュニケーションをしている。

多くの競合商品が出てきている中、細部のUSPで戦うのではなく、なんかよさそうだからという理由で大塚製薬を選ぶきっかっけづくりをしているのだろう。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

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