※広告から、その基になったインサイトや企画等を推察するトレーニングDeconstruction(デコンストラクション)です
※下記は、個人的な推察のため正しいかは不明です
□商品・サービス
・LION NONIO
・http://nonio.lion.co.jp/■企業・ブランド課題
・誰もが毎日歯磨きをしており習慣化できているため、市場は横ばい
・生活科、市場に対する新しい提案不足■コミュニケーションの目的(何を達成するか)
・香りでごまかすオーラル商品使用者からのブランドスイッチとパーセプションスイッチ
・口臭原因菌の問題提起と予防の必要性理解■ブランドを取り巻く環境(市場や競合の動き)
・オーラルケアと言えばライオンとサンスターの二強
・フリスクやミンティアなどの口臭予防の代替商品の普及■コミュニケーションターゲット(誰に語りかけるか)
・仕事に恋に遊びに毎日奮闘し、1日1日を全力で前向きに生きる20代後半-30代前半未婚■社会・生活者インサイト(トレンド、キザシ、価値観、心が動くスイッチ)
・空気を読み過ぎて損をしたり、言いたいことを言えなくて後悔したり、
いつもどこかで心のブレーキをかけ、本音を言えずに終わってしまう
・大人になるにつれ、人前で泣いたり全力で笑ったり、
感情を前面に出すことが少なくなり、そういったことができる人を素直に羨ましく感じる
・毎日を少しポジティブに、新たらしいことをチャレンジしたい
・人に嫌われることを異常に嫌う■カテゴリーインサイト(カテゴリの捉え方、選択基準)
・どれも一緒、大体一緒、可も無く不可も無くおよそ無関心
だから、いつもの同じもので良い
・口臭は商品ではなく、磨き方(テクニック)で解決するものだ■デバイス・メディア・コンテンツインサイト(接触・探索する情報、入手経路、重視点)
・スマホ、SNSが当たり前の時代だからこそ、人と直接会うことが大切と感じる
・体験を重視、コトを重視■Reason To Believe(信じられる理由・根拠)
・口臭を予防するトリプルアクション
・口臭科学を研究している■機能価値(商品・サービスでもたらされる利便性や利益)
・口臭原因菌を徹底殺菌して口臭を予防
・長時間殺菌処方でクリアな息をキープ■情緒価値(商品・サービスを所有・体験することで得られるポジティブな感情)
・自分の息に自信が持てれば、自分の気持ちを躊躇なく伝えられる■アイデア(課題を解決する発想)
・口臭という悩みに閉じた世界ではなく、
気持ちの通うコミュニケーションを応援するブランドというポジションを取った
・生活者にとってNONIOとは、大切な人とのコミュニケーションを円滑にする背中後押しツール■プロポジション(何をメッセージするか、間接的に伝わるメッセージ)
・ごまかすのではなく、科学のチカラで口臭を取り除こう■トーン(どんな語り口・雰囲気で伝えるか)
・ミレニアル世代のタレントを起用(ローラ、清原翔、岡本あずさ)
・笑ったり泣いたり叫んだり口が動きやすい感情を多く使用
・人とのコミュニケーションや人生がもっと楽しくなる
・視覚的ジングルにローラ×ブランドロゴを活用■現状(どう思われているか)
・歯磨き粉は汚れを落としたり白くするなど歯をケアするもの■将来像(どう変えたいか)
・口臭を予防してコミュニケーションがもっと楽しくなるもの■キャンペーン名(テーマ、外に出ないことも)
・ひらけ、自分。■アウトプットメッセージ(外に出るメッセージ)
・口を開けば、心が近づく。ひらけ、自分。■施策
・CM
・CM内で活用した視覚的ジングルを店頭でもアイコンとして活用
・口臭科学研究所WEBコンテンツ
・サイト上で口臭が届く距離を紹介
・アンバサダープログラムのポジ活プログラム
・顔を近づけて話をすることが多くなる映画館やサッカーの試合会場で50万個配布□結果
・特に20代若年層の新規顧客を獲得
・購入層は7割近くを女性が占める
・2017年洗口液Z比116%
・売上高計画比でハミガキは37%増、マウスウォッシュは82%増
・ライオンの売上・営業利益が過去最高を記録
・ライオンの株価が前日比4.5%高の2364円まで上昇、年初来高値を更新
・日経トレンディ デザイン賞
ミレニアル世代を狙ったお手本のようなブランド設計。
ミレニアル世代に人気のローラを起用したり、パッケージもInsta映えしやすいシンプルかつスタイリッシュで機能訴求が目立つ競合とは差別化を図る。
COMで秀逸だったのが、人に嫌われたくないターゲットインサイトを刺激するために、あえて機能価値ではなく生活価値を前面に立たせたこと。
商品開発に強い企業こそ、○○成分配合、○○機能保有など、機能価値をしっかり言いたくなりがちだが、ミレニアル世代はそもそもオーラルケアには無関心。
仲間とのポジティブなコミュニケーションがうまくいき、自分らしく過ごせるという生活価値を立たせ、機能価値は「口臭科学から生まれた」という程度でとどめた。
COM設計時に「生活価値で物が売れるか!」とか社内で言われただろうなと推測されるが、よくこのCOM構造で社内を説得で来たなと関心。
NONIOが売れる背景に、社内説得など多くの苦労があったのだろう。