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隠れ自慢とビジュアル消費

Instagramで最近腹落ちしたこと。

 

自身もInstagramは好きなので1000枚以上は投稿しているが、使っているのは若年女性で企業にとってはブランディング目的での活用がよいのかな程度にどこか思っていた。

 

これで絶対にモノが売れます、とはなかなか自信を持って言いづらかった。

でもInstagramによって、モノの買われ方自体が変わりつつあるのも事実だ。

 

ある調査では、10代のトレンドや芸能情報についてはWEB検索よりもソーシャル検索の方が多いという結果もある。

WEB上には企業の情報で溢れているが、ソーシャルには生活者の生の声が溢れていると捉えているためだろう。

 

例えば、ダイニングテーブルを購入したいと思ったとき、WEB検索をすると、企業のSEMが出たり、SEO上位にはAmazonなどのECサイトが表示される。

 

そこから情報をみると、いろいろなサイズのテーブルと金額が並んでいるが、正直どのテーブルが自分の家に合うのかイメージがつかない。

 

Instagramで同じように検索すると、フローリングの色や窓、部屋の大きさと共にダイニングテーブルが一覧で表示される。

オシャレなデザインだな、と思ったとき、その投稿をしている人をみると、どのような投稿を普段行っていたり、その人の生活価値観や世帯年収みたいなものも見えてしまう。

こんなオシャレな人が使っているならだったり、こんなイケている人もこの商品をつかっているんだと納得して商品を購入しやすい。

 

これだけ直感的にも違うと、買い物時に人はソーシャル検索に流れるだろう。

 

 

普通にInstagramに投稿するにはダサすぎる商品でも、#ポーチの中身 というくくりにすると全てがお洒落に見えてしまう。

よくみるとどのドラッグストアで売っている商品も堂々とポーチの中身の一群として載っていたりする。

群になるとオシャレに見えるから不思議だ。

 

学生同士でサプライズを行う、#ロッカーサプライズ も、身内同士だけでなく、こんな素敵なお祝いをしてもらったとInstagram上での自慢にもなる。

 

いま流行りの#パケ買い。

Instagramによって、生活者のビジュアルの目が肥えている。

見た目から入った買い物も#パケ買いというハッシュタグでくくれば、これかわいいでしょ、と自分や周りへの言い訳にもなる。

 

ダサいパッケージを剥いで、#白化という真っ白なパッケージにして普段使っている人も。

家の中の全ての商品をこれで揃えるとオシャレに見えてしまう。

 

Instagram映えする旅行の代表格なのが#ネモフィラだ。

ネモフィラで有名なみはらしの丘がテレビやキュレーションで紹介されてから、Instagram映えするお出かけスポットとしてInstagramerに人気となった。

調べれば調べるほど、嗜好がたくさん詰まったサービスだと感じる。

 

この背景に隠れ自慢というインサイトがある。

とくに日本人は、言わなくてもわかってほしいというインサイトを持っており、○○と行ったとか、○○へ行ったということを、直接言わなくてもさり気なく映った写真から読み取ってほしいという気持ちがある。

 

Instagramではハッシュタグという単語のみで深く語らなくても情報発信ができる。

Instagramは女性にとって、自身のアルバムであり、他人への隠れ自慢を行う場所なのだ。

 

モノを購入する際の確認の場、知る場としてInstagramは成長している。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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