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知らない世界を知ることで面白いと感じる

TBSのマツコの知らない世界が面白い。

マヨネーズやチーズ、扇風機、靴などなど、
その領域のディープな世界を紹介するバラエティー番組。

2月のスペシャル版では視聴率が14%もあり人気がある。

この番組の構造、
広告会社の人間からするととても興味深いものではないか。

広告会社の人間は、担当するクライアントの商品の売上を上げたいと強く願っている。

いまや家電も自動車も飲料も他商品全て
すぐに技術が追いつかれあっという間に商品の差別化ができなくなる時代。

そのような中でも企業は、
たえまぬ努力によって今までなかった機能や
かゆいところに手が届くような機能を付けるために
多くの開発時間をかけている。

やっとできあがった商品の良さをきちんと生活者に伝えたいと思うが
生活が豊かになりすぎた現在、そのような機能の良さをきちんと伝えることができるだろうか。
反応するとしてもニッチな層だけではないか、という悩みも出てくる。

PRを使うのか、広告で伝えるのか。
企業も広告会社も頭を悩ませやすい時代だ。

2011年の深夜番組からスタートした
マツコの知らない世界は、2014年にゴールデンに昇格した。

牛乳ってこんなにも奥が深かったのか。
扇風機ってここまで進化していたのか。

と知らない世界を知ることで面白いと感じる。

もともと人間は
自分の知らないことを知ると驚きとともに面白さを感じる。
世界が広がることで、これからの選択肢が増えたり
友人との話のネタになることで面白いと感じるためか。

ニッチをあつめてディープな世界を紹介するという番組の構成だけでなく
生活者目線でのマツコのズバズバ切っていく本音のスタイルも面白い。

金額が高い物は正直に「高っか!!」と叫ぶし
食べれないカテゴリは「食べれない」と無理に食べない。
あくまで生活者と同じ目線なので、視聴者も信頼して観ることができる。

このような商品の良さをめいっぱい伝えることができる番組を観て
「しこめないのかな」と思う広告会社の人間も少なくないだろう。

放送局のやらせの問題もシビアになっている現在、しこむことは無理だろうが、
番組内で商品を時間をかけて積極的にPRできるこのような番組はなかなか存在しない。

本来広告会社からすると
放送局とこのような番組作りを一から考えたり、出版社と新しく企画を考えたりなど
既存の、ヒットした後のプラットフォームやサービスに乗っかるのではなく
自ら作っていくことも考えないといけない。

このマツコの知らない世界は、
とてもよくできており本当に秀逸な番組。

いまは番組のセット内で行う企画が多いが
例えば、不動産や映画館、アミューズメントパークなど
屋外でないと紹介できないカテゴリも多々あるだろう。

ロケという形でもっと様々なディープな世界を紹介してほしい。

にしてもこういうPRを主体とした番組。
本当にうらやましい。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

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