まつもとあつし著の「ソーシャルゲームのすごい仕組み」を読み終わる。
昨日の新聞で、消費者庁がコンプリートガチャが景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断との記事が掲載されていた。
それくらい現在、Mobage、GREEを中心にソーシャルゲームが流行している。
表向きはソーシャルゲームは、リアルマネーが動きコワいビジネスに思えるが、実際裏側はどう運用されているか興味があり読むことにした。
率直な感想では、「ソーシャルゲームのビジネスって面白い!」。
まず、若年層だけでなく30代の利用も多く、ファミコン世代も積極的にソーシャルゲームをやっていることがわかる。
ソーシャルゲームの様々な種類があるが、今はカードゲームが主流。バーチャル空間で見知らぬ相手と戦略を競う面白さや、カードをコレクションする面白さなど、面白さがぎゅっと凝縮されて設計されているので、ついつい課金に手を出してしまう。
運用側も非常に戦略的にゲームを回している。
通常のゲームでは、リリースしたらそれで終わりであったが、ソーシャルゲームでは、ネットを通じてゲームを行うため、昨日まで強かった敵キャラが、今日は少し弱くなり攻略しやすくなるなどゲームの離脱を防ぐための細かいチューニングを行っている。
アイテムや敵の強さなどをデータを見ながら変更させていくので、ゲーム会社というよりも、もはや金融のトレーダーのような仕事で稼いでいると言える。
本書内に、コンプリートガチャについても言及がある。
コンプガチャシミュレーターを使うと、
カードをコンプリートするにはいくら必要かざっくり把握することもできる。
シミュレーターを試してみると、
最初の数枚までは以外と簡単にペアが組めてしまうので、あっけない印象を受ける。
ネットの反応でも「もう半分そろった。よしあと少し…」というコメントが見受けられる。
しかし、残りのほしいカードの出現確立がそこからどんどん下がってくる。ユーザーからすると「ここまで揃えたのと、あと少しだから…」となかなか後に引けなくなるようだ。心理学的にはコンコルド錯誤と呼ぶらしい。
スクウェア・エニックスもソーシャルゲームに参戦するなど、国内のゲーム会社も次々とソーシャルゲームに過去タイトル・新作含めてリリース合戦が始まっている。
この流れは、国外にもうまく輸出できれば非常に大きな市場を捉えることができる。
スマートフォンの普及に乗ってソーシャルゲームビジネスも拡大し続けるか今後に期待したい。
アスキー・メディアワークス
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