トライバルメディアハウスの池田紀行氏の書籍
「ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目」を読み終わる。
前作の「ソーシャルメディアマーケター美咲」に続き、広告会社で働く人にとって、「ある!ある!」と笑ってしまうような事例が多かった。
今作は成長した2年目の美咲ちゃんがソーシャルメディアの炎上に向き合い、炎上の把握から鎮火まで、炎上したときに企業がとるべき行動がまとめられている。
牛丼チェーンや製薬会社、スポーツメーカー等、具体的な事例を交えて、企業で働く社員が個人的に利用したソーシャルメディアでの炎上事例を説明している。
自分の友人しか見てないだろうと思っているソーシャルメディア上での発言も、特定のキーワードで検索すればすぐに見つけることは可能であるし、そういった犯罪行為を自慢している人を捜して2ch等でさらす人もいる(もちろん犯罪行為を行う人が悪い)。
炎上を予防するために、企業としてソーシャルメディアを全面的に禁止にするのか、一部制約を設けて実施するのか、社員それぞれにガイドラインの徹底とトレーニングを行うか等、今後の生活者と企業の向き合い方を考えて美咲ちゃんが苦戦しながら話し合いをしているのが興味深い。
また、2年目の後半に記載される、ソーシャルメディアの効果測定についても奇麗にまとめられていて勉強になる。
Twitterが最も注目をあびていた1,2年前は、Twitterを利用して無料でお客さんを呼べ、売り上げをあげました!という書籍や雑誌の特集が非常に多かった。このような記事を見て、ソーシャルメディアですぐに売り上げに結びつくと考える企業も中にはいたのでは?と思う。
今では、そんな企業は少なくなったと思うが、このソーシャルメディアに投資したお金がどのような効果に結びつくのかというKGI、KPIの議論は必ず起きる。
そのときに、どのような指標で考えたらよいか、そもそもソーシャルメディアマーケティングは、何ができて何ができないのかを理解するには非常に使える書籍だった。
ちなみに1年目の美咲ちゃんの書籍では、「Twitterで何かしたい」「Facebookで何かしたい」というツールが目的化するという問題に立ち向かう姿が描かれており、こちらも社内外含め「ある!ある!」と頷く内容が多い。
翔泳社
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