心理的安全性という言葉が流行っている。
サイコロジカル・セーフティ。psychological safety。
最近は、Googleが社内の生産性をあげるうえで必要な因子として、取り上げられたことで日本でも度々取り上げられるコトバ。
この会議、雰囲気悪いなぁ。
なんか張り詰めた空気で、下手な発言しづらいわ~。
という心理的不安感は、議論を活発にせず、生産性を著しく落とす。
とりあえず、思いついたこと言ったろ!
しょーもないことだけど、これ言わして!
と、アイデアがポンポン出るような雰囲気だと、本音で、議論が活発になる。
仕事は環境で決まる、という言葉の通り、心理的な安全性があるかないかで、アウトプットは大きく変わる。
広告会社は、職種にもよるが、1人のプランナーが抱える仕事は、数~十数社を担当し、業務・PJとして、アクティブなもので言えば、数案件~十数案件を同時並行して推進することになる。
複数の案件を一気に動かし続ける体力がいる。
その案件を推進するにあたり、その1つ1つの案件ごとに、チームが組まれている。
毎回顔なじみのチームメンバーではなく、その案件の難易度や稼働量に合わせて、適材適所なチームアサインがされる。
なので、大人数でほぼ初顔合わせなチームもあれば、アットホームな顔見知り少人数チームもある。
かたい人ばかりのチームもあれば、柔らかい雰囲気のチームもある。
チームによってカラーが違う。
5年前くらいだったか。
有名なクリエイターと一緒に仕事をしたことがある。
その人は、いつも負けられない競合案件や、社として新しい領域の案件をつぎつぎと開拓する優秀な人だった。
最初の打ち合わせの時に、その人は、初対面だらけのメンバーに、こう言って会議がスタートした。
「明るく、楽しく、元気よく、いきましょう!」
その一言で、初顔合わせのメンバーは、顔が緩み、柔らかい雰囲気のまま、本音で議論し合うことができた。
次の打ち合わせでも、「明るく、楽しく、元気よく、いきましょう!」を最初の号令に、いつも活発な議論ができた。
「明るく」とは、自分でできること。
でも、「楽しく」は、メンバー間とつくるもの。
さらに、「元気よく」は、メンバー間で、活発な状態をいう。
ひとり一人がポジティブに頑張ることで、明るく、楽しく、元気よく、が実現することになる。
未熟だったころに、この言葉の強さを刷り込まれたこともあって、いまも打ち合わせの前に、心の中で「明るく、楽しく、元気よく」とつぶやいてから始めるようにしている。
周りが発言しやすくなる、魔法のコトバ。
打ち合わせの雰囲気を作る最初のコトバは、とても大事だ。