Twitter、Facebookに次いでPinterestという
WEBサービスが最近よく取り上げられる。
Pinterestとは、どのようなWEBサービスなのか
企業のキャンペーンとしてどのように利用されているのかをまとめる。
Pinterestとは
Pinterestは、写真・動画の共有サービス。
ピンボードと呼ばれる、自分のボードに対して
好きな写真を「ピン」してストックしていく。
そして趣味嗜好が集まったピンボードを友人に共有する、というサービス。
名称のPinterestは、Pin「ピン」+interest「興味」の造語。
要は、自分の好みやセンスを表現するボードを共有するサービス。
それの何が面白いの?という人はやってみないとわからないと思う。
ロケーションサービスのfoursquareで何故チェックインするのか
食べたご飯を共有するサービスのPicciousに何故写真を投稿するのか
といった質問に似ている。WEBサービスは使ってみてその面白さがわかる。
Pinterestの利用者
2012年1月で約1,200万人の訪問者数。
ここ半年で急激に伸びてきている。
25-44歳のボリュームが多く
女性と男性の比率が8:2と、圧倒的に女性が多いWEBサービス。
TwitterやFacebookのように
男女バランスよく利用されているWEBサービスとは異なるので
やや不思議なサービスに思えるが
「あ、この写真好き」とか「なんかこの世界観いいなぁ」と
思ったものを集めていく感覚は、女性が日常で好きなものを身近に置いておく
感覚にどこか似ていると思うと、女性比率が高いのも納得できる。
Pinterestの利用方法
利用方法は大きく分けて「Pins(RePin)」「Likes」「Comment」の3つある。
「Pins(RePin)」について
何かしらキーワードで検索した写真や
友人の写真でいいなと思う写真の上でマウスカーソルを合わせて
RePinをクリックすると自分のボードにPinsされる。
Facebookのシェアに近い機能。
ぽちぽちRePinをクリックしていくと
自分の好きな写真がボードにストックされていく。
自分でカテゴリ分け(ボードの作成)をすれば
そこにためていくことができる。
例えば、ピンク色っぽい写真や
桜をイメージしたもので写真を集めていくと
何となく雰囲気の似た写真がカテゴライズされていく。
Pinterestは写真がメインのサービスなので
海外の人が共有している写真でも簡単にコミュニケーションがとれる。
「Likes」について
これはFacebookの「いいね!」と同じで
共感した写真に対してLikesボタンをクリックして使う。
LikesもPinsと同様に一覧で確認することができる。
自分の写真に「Likes」が沢山つくとモチベーションがあがる。
「Comment」について
言うまでもなくコメントをする時に利用する。
こちらは「Activity」一覧で自分の活動を確認することができる。
その他、友人と繋がる「Follow」もある。この辺は、Twitterと同じ。
Pinterestを利用した事例・キャンペーン
Pinterestを使ったキャンペーンを紹介する。
この写真共有サービスをどのように企業は利用しているかを知り
今後のキャンペーン設計の参考にしたい。
ブランディング利用
バラク・オバマ米大統領が3月27日にPinterestを
ブランディングツールとして利用を開始した。
オバマ大統領は、選挙活動でFacebookやYouTubeなど
ソーシャルメディアを戦略的に利用したことでその活動が
オバマーケティングと呼ばれたこともあるが
今度はPinterestまで使いだして注目を浴びている。
ObamArt、Just the facts、Obama 2012 Storeなど
伝えるコンテンツをボードでカテゴリ分けしてる。
The First Familyなんかはとても戦略的に感じる。
家族の写真を公開することで
家族を大切にする優しいパパのイメージをこの写真群からは感じ取れる。
「so cute!」「great family」「Best Family」といった
好意的なコメントがつけられていることがわかる。
文字ではなく、写真やイメージで伝える政治での利用はとてもうまいと感じる。
プレゼントをインセンティブにしたコンテストでの利用
Guessでは、デニムをインセンティブとしたPinterestのキャンペーンを実施。
オレンジ、緑、紫、赤色の4色のデニムの中から、好きな色を選択して
「GUESS My Color Inspiration」と名称をつけたボードを作る。
選択した色のデニムを着た「GUESS My Color Inspiration」の写真をRePinして
さらに、春を感じさせる写真をPinsしてボードにストックしていく。
これでキャンペーンの参加が完了となる。
オレンジ色で写真をPinsしているものや
紫色で写真をPinsしているものなど
選択した色で世界観を表現。
最後には、ファッションブロガーが審査をしてデニムをプレゼントした。
世界観を表現する楽しさと、デニムの色を意識することで
ブランドの世界観を伝えることにも役立ているのかな。
eコマースと連携して利用
CakeStyleでは、eコマースと連携して利用している。
ユーザーは欲しいなと思う服(写真)を選択する。
色々な着こなし方もあわせて伝えれるのがPinterestの強みでもある。
選択した写真が大きく表示された後
再度この写真をクリックするとeコマースサイトへランディングする。
ユーザーは、そのまま商品が購入できる。
服をアフィリエイトとして出品している企業があれば
そのページに繋いでアフィリエイトとして稼ぐ使い方もあるということか。
Pinterestとファッションのeコマースは相性がいいと個人的には思う。
ブランドの世界観を伝えつつ、着こなし方を伝え、商品の購入まで
一貫してこのWEBサービスを利用すればできてしまう。
日本では、Pinterestの利用者はまだ少なく
Facebookの次にくるものを狙っている業界の人が多いように感じるが
ローソンなどソーシャルメディアにガンガン取り組む企業が
最初に利用するのでは、と期待している。