Music

ネットでMay J.が叩かれる理由

歌がうまくビジュアルも奇麗なので、個人的にはMay J.は好きなのだが

日本のネットでは何故こんなにもMay J.が嫌われるのか?

とくに2chでの叩かれ方はひどい。

「心に響かない」

「他人のふんどしで相撲を取っている」

など。

こうした、May J.を批判するスレッドは多く、まとめサイトでもよく目にする。

 

May J.は、テレ朝の番組「関ジャニの仕分け∞」に出演し、カラオケ得点対決で圧倒的な歌唱力を見せつけ、そこから知名度を上げた。

その歌唱力が認められ、大ヒット映画、アナと雪の女王の主題歌「Let It Go ~ありのままで~」を歌うようにもなった。

 

そんな活躍に反して、

「松たか子の方が心に響く」

「何故、May J.がこの曲を歌っているのか?」

「ヒット曲に便乗するな」

などと、活躍を喜ぶ声よりも、批判する声を多く耳にする。

 

May J.が叩かれてしまう理由に、

カラオケから知名度を上げたこと

完璧は、機械的で人間味を感じないところ

自身のヒット曲が無い

などが考えられる。

どれか一つというよりも、これらが重なりあって批判の対象となってしまうのではないか。

 

カラオケから知名度を上げたことについて、

日本ではカラオケ名人はプロと比べて低く見られがちだ。

歌がうまい素人 < 歌が下手なプロ

という構図が存在しているからではないか。

歌が全然うまくないアイドルが日本で人気なのも、「プロ」という存在が「素人」よりも高いポジションで見られているためだ。

カラオケから知名度を上げたMay J.は、プロという視点で見られるより、
「素人なのに」「でしゃばって」という、最初からネガティブな視点で見られているようになった。

 

ただ、カラオケから人気となった人も存在する。

海外で一躍人気となった中年女性のスーザン・ボイルは、テレビ番組でのカラオケで話題となりCDデビューを果たすなどシンデレラストーリーを描いた。

May J.との違いは、先ほど挙げた完璧は、機械的で人間味を感じないところに関係するのではないか。

 

May J.は番組内で、カラオケ26連勝するなど、演歌〜JPOP、アニメの歌など、どのジャンルでも完璧に歌いこなす。

完璧な故、人間味を感じにくく、無機質で機械的なイメージを抱きやすい。

顔が奇麗なので尚さら、欠点を感じず、愛着をどこか感じにくいものがある。

スーザン・ボイルの場合は、歌以上に、見た目のインパクトが大きい。

見た目は「おばちゃん」そのもので、歌い終わったら舞台から出て行こうとするドジなところなど、人間味に溢れている。

そのため、スーザン・ボイルは多くの人に愛されたし、とても話題になった。

隙があるという部分は、人間味を感じさせ、自身の味方をつけることに関わる。

そして、May J.が叩かれる理由の最後が自身のヒット曲が無いという部分も大きい。

シングル6枚、アルバム6枚と多くのCDを出して入るが、ヒットしているのは、カバーアルバムだったりする。

Summer Ballad Covers、Heartful Song CoversなどCDはヒットするものの、人の歌をとても上手に歌うアーティスト、というイメージが強くついてしまっている。

そうなると、「ヒット曲を持つ人」というよりも

「カバーの人」というイメージが強くなり、

人のヒットに乗っかるアーティストというネガティブな印象に繋がる。

CDが売れるほど、自身のイメージが悪くなって行くというのは、とても辛い。

 

これら3つの要因が、かけ合わさってネガティブなイメージを持たれているのであれば、

まず自身のヒット曲を作ることが一番の解決策ではないか。

誰も歌っていない曲でヒットを作ることで、他の人の曲「も」うまく歌えるアーティスト、というポジティブなイメージに変化させる。

簡単には言えるが、CDが売れにくい日本の音楽市場と、ネガティブなイメージが定着している中で、ヒットを作るのはかなり頑張らないといけない。

ネットは、一度嫌われてしまうと、そこからの挽回はかなり難しい。

韓流、マクドナルド、元モー娘。の辻ちゃん……など。

ネガティブなイメージを持たれたら、そのネガティブな発言に皆が乗っかり、嫌われるスパイラルは更に加速する。

何をしても批判の対象になるのだ。

 

高いイメージからどん底に落ちるよりも、低いイメージから這い上がって行く方が良い。

ネットの批判的な声にへこたれず、May J.がここから這い上がって、叩かれる声が徐々になくなっていくことを期待。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
ストプラ・デジタル

 

三児のパパ

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