ひとりごと

理系から文系就職するとは

大学の研究室の同窓会が年に1度ある。
その同窓会に、この前参加してきた。

理系から文系の企業に就職した自分と
そのまま理系の企業に進んだ研究室の仲間との会話が噛み合わなかった。

 

大学、大学院まで情報系の学科・研究室を進んできたので
朝から晩まで、平日も休日もプログラミングを行う毎日だった。

研究がうまくいかないときは正月の除夜の鐘がなる10分前まで研究室でプログラムを書いていたのも懐かしい。

スーパーコンピューター、多目的最適化、遺伝的アルゴリズム、知的証明、タンパク質、P2P、データマイニング…など研究室の規模が大きい分、やっている研究の幅も広かった。

自分は、データマイニングを中心としたアルゴリズムの研究と、
IPAの未踏プロジェクトで採択されたシステム開発も並行して行っていた。

研究室を卒業したらメーカーやITコンサル、SIerといった職業につくと思っていた。
もちろん周りの人間も同じように理系の企業を受け、そのまま就職を決めた。

自分も理系企業を中心に面接を行ったが記念にと、唯一一社だけ広告会社を受けた。
そして運良く内定を貰い、最後まで理系の企業と悩み広告会社に進むことを決めた。

もちろん、自分の将来の大事な選択なので適当に決めたわけではない。
6年間積み上げたスキルを手放す勇気はとても大きいものだ。

でも、広告会社で自分の理系の知識が活かせる自信があったし
この業界全体を変えてやると大それたことも当然のように考えていた。

広告会社は、マス広告のアナログメディアの売り上げが年々下がっており
インターネット広告の売り上げが年々増加していた。

スマートフォンやノートPCの普及によってその勢いは加速していたため
理系の人間、特に情報系の人間が必要とされることはわかっていた。

入社して、うまいことインターネット系の部署に配属されて
同時期に入社した同期よりもアドバンテージがあると最初の頃は感じていた。

そして、気付けば入社して4年もたった。

インターネット広告は単純にメディアの枠を売るだけの仕事ではなく
他のメディア部署よりも守備範囲が広い。

通常の枠販売から、SEMやDSP、ソーシャルメディアやスマートフォン
また、インターネットを使ったコンテンツ開発や
プラットフォーム開発、効果測定まで頭からお尻まで全部行う必要がある。

また、ブランディング企業とダイレクト企業での
実施する広告は全く異なるしKPIも異なる。

それに加え、次から次へと新しい端末や
WEBサービス、アドテクノロジーが出てくるため
常に勉強し続ける必要がある。

広告会社は、「楽しそう」なイメージを持たれるが、そんな仕事は一部で
企業から預かった大切な予算を、何倍にしてお返しするために
実施前からとても頭を使うし、実施中も運用に沢山の時間を費やす。
実施後はデータが全部取れてしまう分、レポーティングも大変な作業だ。

 


このタイミングで同窓会。

周りの人たちは、大手メーカーに就職。
今でもプログラミングをくんでいる人や、回路を設計する人、コンサルタントとして協力会社にアウトソースする人…など様々。

自分は、広告会社。

周りから出たのは「お前、転職する時に何が書けるの?」「ほんとに今の仕事楽しい?」といった言葉だった。
悪気があって聞いているのではないのはわかるが、結構ショックだった。

理系企業に就職した人は、大学で学んだスキルをベースにもっと専門的なスキルを学んでいるのだろう。

自分は、周りからは一括りに「広告会社で広告を売っている」と見られていたと思う。
この意味に間違いはないのだが、広告会社も仕事の領域はとにかく広い。

営業としてクライアントと向き合うこと、
広告費を預かり、最も良いメディアの選定、デバイスの選定
最も効果の出るメニューの選定、全体のコミュニケーション設計など
毎晩終電での帰宅になるほどやることはある。

広告業はシンプルに言うと広く告げて「物を売る」ことであり
このシンプルな作業がとっても奥が深く難しい。

不況によって企業が広告費を削減して
生活者のライフスタイルが多様化した今
広告会社にとって更に頭を使うべき=スキルを使うべき部分になる。

どの企業も物やサービスを売っているので
広告を実施して、売り上げを拡大する必要もある。
端末が飛び抜けて素晴らしいiPhoneですら年間何千億円と世界で広告費を出している。情報過多のこの時代、商品力だけで物が売れるのは限界がある。

広告業とはなんぞやを語ると話がそれるので、
これくらいにして、言いたいことは

理系のまま進んだ人からすると
せっかく積み上げてきたスキルを手放した文系就職を
「あいつもったいねーな」「せっかく院まで出たのに」という視点が残るということだ。

これは、今の広告会社が何をしているのかを
うまく伝えれていない自分が悪い。

広告会社は、タレントの○○と撮影があったといった煌びやかな世界もあるが
「物を売る」仕事が如何に難しく大変なことかまた伝えていく必要がある。

文系就職して、「あの頃、理系就職してたら」と自分で思うことはある。

でも「今の会社を選んで良かった」と今でも思っているなら
「文系就職も楽しいよ」と胸を張ってこれからも言っていきたいな。

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Profile

 

千田 智治
Tomoharu Senda

 

広告会社 勤務
BI・デジタル・ストプラ

 

二児のパパ

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